面食いだからって好きになれるわけじゃないんだな

そこまでは全然よかったんですけど、話をしていても特に自分が盛り上がることもなかったし、大して仲がいいわけでもないのに「どんな男性がタイプなんですか?」と聞かれたり、「今度、手料理食べさせてほしいです!」と言われたり、過去の恋愛についてあれこれ聞かれたりして、あ、こりゃダメだな、と思ってしまったのだった。

話が弾まないのもしんどいし、そもそも私は、初対面で好みのタイプを聞いてくる男性が好きではない(ちなみに初対面で好みのタイプを聞いてこない人がタイプだ)。それになんで料理は女の仕事だと思っとんのじゃ!!! 私がお前のために労力を惜しまねばならん理由はあるのか!!! クソ!!! と心中でさまざまなツッコミを入れながら、なんとかその場をやり過ごした。このときには、ブチ上がっていた私のテンションも低空飛行をはじめていた。
まあ、そもそも相手にとって私も仕事上だけの関係でほとんど何も知らないし、どんな気持ちを抱いていたのかも定かではないのだけれど。まあ、どうでもいっか。

私はかなりの面食いだと思っているけど、でも人のことを滅多に好きにならない。顔のいい男性だったら案外すぐに好きになれるのは? みたいな仮説が自分のなかに存在していた。が、やっぱりうまくいかないんだなあ、と思った経験だった。
かわいいとか美人と言われるタイプでもない。性格もいいとは言えない。ファッションや趣味、思考回路だって男性に好まれるとは言いにくい。だから、選ぶような立場ではないことはわかっているんだけどね。

どこかに眼鏡で顔が薄くて黒髪で結婚に対してうるさく言ってこなくて浮気しなくて頭の回転が速くて仕事ができて女性のことをちゃんとひとりの人間として見てくれて自分の意見をちゃんと持っていて話題が豊富で落ち着いていて自分の生活を賄うくらいの収入があって趣味を持っていて嫉妬しなくて面倒臭くない男の人が道端に落ちていたり、クリスマスのプレゼントでくれたりしないですかね。

Text/あたそ

次回は <勇気なんていらない。寂しさも全部かき消す、ひとり海外旅行の醍醐味>です。
今回は結婚を考えている彼の浮気の証拠を見つけてしまった女性からの相談。野心家の男性との付き合いに関して、ニクヨさんが彼女にアドバイスすることとは?恋愛におけるスタンスについての言葉が胸に響きます!

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