「ずっとひとりだった」私が本を出版するに至るまで

「ずっとひとりだった」私が本を出すということ

ずっとひとりだったからこそ本が書ける女性の画像 StockSnap

 この度、本を出すことになりました。KADOKAWAからの出版で、タイトルは『女を忘れるといいぞ』です。すべて書き下ろしで、7/7(土)に発売されるそうです。

 こうして出版までこぎつけることができたのには、色々な理由がある。例えば、Twitterのフォロワーが多いからとか、こうしてAMで好きなことを書けるからだとか、たまたま編集者の目に留まったからだとか。
なんだか、まだ実感がわかない。この間だって、神保町の三省堂本店に立ち寄ったとき、「ここに私の本が並ぶ可能性があるのか……」と考えて、少し気持ち悪くなってしまったくらい。私の平凡な人生で想定してこなかったことが起ころうとしている。なんだか、不思議な気分だった。

 本を出せるのには、たくさんの理由がある。その中のひとつに、「ずっとひとりだったから」というのがあると私は思っている。私はずっとひとりだった。寂しいとか辛いとか、そういうことじゃなくて、事実としてずっとひとりだったように思う。
家族とも馬が合わない。恋人もいない。それから、友達とだって長くは続かない。今だってそうだ、人との関係を維持することが私にはできない。理由はわからないけれど、きっと自分に何か大きく欠けたものがあるのだろう。

 さらに面倒なことに、私は人にどう興味を持てばいいのかがわからなかった。クラスや部活、大人数が集まるところで自分から声をかけるなんてありえなかったし、話しかけられたり興味を持たれたりすることにも嫌悪感を覚えてしまう。自分から遊びに誘うことも滅多にない。人との関係を維持する努力もしない……と、ここまで書いて、だからダメなんだと思っているんだけれど、とにかく私は対人関係において、他人には備わっている何かが圧倒的に足りないみたいだった。
自分へのコンプレックスも、ひとりでいることについても、文章に変えてきた。それは私がひとりでいてもあまり寂しいと思わないからで、ひとりでいる時間が他の人たちよりも長かったからだと思う。ひとりでいる時間が長ければ長いほど、何か考えることが多かったし、文章を書くことも増えた。