タイミングを待っていたら遅すぎる。突然決めた、初めての一人暮らし

とんでもないことを決めてしまった

ワンルーム一人暮らしのイメージ画像

突拍子もなくひとり暮らしがしたくなって、深夜に適当な物件を検索し、内見の申し込みをした。それから1週間も経たないうちに、マンションの一室を契約してしまった。なんだか、とんでもないことを決めてしまったような気もする。

私は、生活のサイクルやローテーションみたいなものが少しでも変化すると、眠れなくなる。眠れなくなると、考えがどんどん激化していき、普段は派手すぎて着られないワンピースを買ってみたりとか、敷居が高くて行けなかったエステを予約してみたりとか、冷静な状態では決断できないようなことを簡単に決めてしまう。
今回もその一環で、転職をしたら勤務地も人間関係もすべて変化して、眠れなくなった。そして、深夜の軽いノリみたいなもので、坂道を転がるような速度でひとり暮らしを決めた。2、3週間ほど経てば引っ越しもできるらしいのだけれど、今は全く実感がない。

住む場所を決めるのは、仕事を選ぶとか結婚する相手を決めるとか、そういうことと同じくらい人生で重要だと思っている。なのに、大した決意も固まらないまま、「内見の申し込みをしてしまったし、まあ、しょうがないかな」くらいの軽い気持ちで、なんとなく決めてしまった。物件の内見だって、5分くらいしかしていない。馬鹿なのは、私が一番よく知っている。

例えば、将来の夢のひとつとして、「結婚したい!」とか「子どもが欲しい!」とか、近い未来にいつか叶えばいいような思いは誰でも必ず持っていて、私の場合は「ちゃんと一人で生きていけるようになりたい」という思いがずっとあった。人が誰ともコミュニケーションを取らずに、たったひとり東京で生きていくのは無理だとは分かっているけれど、出来るだけ誰の力も借りず、なるべく迷惑をかけずに生きていけたらいいのに、と思っていた。

それで、決断することができずにズルズルと居座ってしまった今の家は、父親のものだった。私の両親は離婚をしていて、協議の際に、妹が大学を卒業するまでは今の家に住めることになっている。そのタイムリミットも迫っていた。
母親には「それまではここで暮らせばいいのではないか?」と言われていたのだけれど、それでは遅い気もしている。

父親との関係は、縁を切ってしまうほど険悪だった。一方、私と母親の関係性は、よくもなければ悪くもない。「年齢を重ねれば重ねるほど、母親の言動が理解できなくて、腹ただしく思うようになる」と、友人と話したことがあるのだけれど、我が家もそんな感じだ。うっとおしく、そして遠慮の気持ちが日に日に強くなっていく。きっと離れるべきなんだろう、と思っていた。