SMグッズをこんなところで売っていいの!?自分の偏見にも気づいた日

00年代初頭、わたしはバイトで、SMショーのM女としてステージに立っていたことがあるのですが、その当時SMといえば、秘めたる性癖であり、同じ嗜好を持つ人としか分かち合えない……と書いたところで「いや、そうでもないな」と思い直したのは、当時から渋谷のわりと大箱のクラブだったり、キャバクラだったり、タワマンなどの社長宅だったりに興行に行くことがあり、いわゆる「SM好き」たちではない人たちの前でSMショーをすることがあったからです。

しかしそうはいっても、やっぱりゾーニングされていたというか、緊縛がロープアートとして、渋谷のMIYASHITA PARKを飾るようなことはなかったし、外から丸見えの明るいレンタルスペースでSMグッズの展示即売会が開かれるようなこともなかった……というわけで先日、SMパートナーを探すマッチングアプリ、Luna主催の『SMクリエイター祭り』という催しに、先日足を運んで参りました。

『SMクリエイター祭り』とは?

『SMクリエイター祭り』とは、自作・自案のSMグッズの制作者の方たちによる展示即売会。なのですが、その会場が予想外すぎた。門前仲町の駅から1分の大通り沿いという好立地にあるレンタルスぺースで行われたのですが、住所を頼りにいったのにどうしてか辿り着けない。というかビルまでは辿り着けたものの、入り口がわからない。目の前に階段があったのであがってみたところ、スポーツジムに辿り着いてしまった。仕方なく道路に戻り、ビルの横側にエレベーターがあるようなので、とりあえず上がってみるか、と移動をしたところで、ビルの真正面、全面ガラス張りのレンタルスペースのエントランスに『SMクリエーター祭り』のチラシを貼ってあるのを発見したのです。

「えっ! ここでやるの!?」と驚いた。まさかこんな開けている場所でやっているわけないという思い込みから、こんな目立つ入口であるのにスルーしてしまっていたのです。だってこの会場、通りを渡った向こう側にはスーパーがあって主婦たちで賑わっている上に、中が丸見え。チラシはピンクと水色を基調にしたデザインでポップな雰囲気ではあるものの、「グッズもマンガも全部SM!!」という煽りの文字とともに、でかでかと『SMクリエーター祭り』というイベント名が堂々と掲載されている。歌舞伎町とか渋谷の円山町あたりならまだしも、地元の人が行き来する東京の下町ではインパクトがありすぎる。