読書会というものをご存知でしょうか。あらかじめ決められた課題本を読んだ参加者たちが集まり、その感想などを語り合う催しで、小人数のものから大人数が参加する大々的なものまで、全国各地で開かれています。その読書会のなかでも最大級といわれているのが、「猫町倶楽部」という読書会サークル。年間約200回の読書会が催され、一年間の参加人数はなんと約9000人。その猫町の主宰者と山本多津也さんとご縁があった関係で、わたしもこれまで何度か読書会に参加していると共に、時にはゲストとして参加者の皆さまの前でトークをさせていただいたり、さらにはありがたいことに拙書の『ホス狂い』や原作を担当したコミックス『レス~してくれたら、しなかった~』を課題本として取り上げていただいたりしている。
そんな猫町倶楽部が、今回新しい試みに乗り出すという。その名も<文化系ホストクラブ>。新宿のホストクラブSmappa! Groupを率い、『新宿・歌舞伎町 人はなぜ<夜の街>を求めるのか』などの著作も持つ手塚マキさんとコラボして、ホストクラブで読書会を開催。第一回の課題本は鈴木涼美さんの新刊『トラディション』。ホストクラブのスタッフとして働くヒロインと、その幼馴染のホス狂いの女性を描いた物語で、ホストクラブで行われる読書会の課題本として相応しすぎる上に、鈴木涼美さんもゲストで参加して参加者たちの各テーブルをまわってくれるという。兼ねてより鈴木涼美さんの作品のファンということもあり、Xで告知されているのを発見した瞬間に、当然のことポチっと申し込んだのでした。こんな面白そうなイベント、見逃せるわけがない~!
アレでもっと盛り上がるのでは?
というわけで当日。わたしのテーブルは、女性4名、男性2名の参加者に加えてCLUB OPTIS代表の青山礼満さんが着席。そう、各テーブルに課題本を読んだホストがついてくれるという趣向まであるのです。いい企画! 男性はもちろん、女性陣もほとんどがホストクラブ未体験だということで、初めてのホストクラブ、初めて触れ合うホストと、なんだかそわそわしていました。これまでの読書会とは雰囲気がまったく違う感じでスタートしたものの、読書好きでかつ、同じ課題本を読んでいて、さらにホストクラブに興味があるという共通点のお陰で和気あいあいとした雰囲気に終始。礼満さんは「登場人物のなかで、姫として好きなのは……」という本音をぶっちゃけてくれたりして、とても盛り上がったのでした。
読書会終了後は、近くのバーに移動して懇談会。会費制で飲み放題でしたが、こちらにもホストの皆さまが参加してくれて気軽におしゃべりに応じてくれる。AV監督の二村ヒトシさんがホストに自分の撮影した女装AVを紹介する場面に居合わせたり、エッセイストの紫原明子さんとホストの顔面の良さについて語ったりして盛り上がる中、ふと思いついてしまった。別会計でシャンパンをオーダーし、ホストの方たちにシャンパンコールをしてもらったら、さらに場が盛り上がるのではないかと。
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