綿棒を使ったサービスとは
俄然、気になって「綿棒で何するんですか?」と尋ねたところ、「わたし、腋臭なんですよ。綿棒は脇に挟むんです」という返答が。どうやら、脇の匂いを嗅ぐことのできるブースで、綿棒で臭い嗅いだり、脇に顔を寄せて直接嗅いだりができるらしい。フェチ! すぎる!! けれど、そんなマニアックなフェチ、どんだけニーズあるのだろうかと疑問に思っていたのですが、これがすごい。次から次へと客が訪れて綿棒を買ったり脇に顔を寄せてうっとりしている。すっげぇニーズありありじゃないですか。
わたしもそこそこ、フェチとか変態とかには触れてきたという自負があるし、様々なマニアの男性の存在を知ったことで、ある意味で「世の中、どんなであってもニーズあるし!」とある種のコンプレックスを手放すことができたという思いもあるけれど、腋臭だったとしてそれを売りにすることが果たしてできただろうか。彼女の胆力に恐れ入りつつ、恍惚の表情で脇に顔を埋めている客の姿を見ながら、ちらりと、「ここはひとつ、わたしも体験してみるべきではないか」という思いも浮かんだのですが、さすがにそこまでの勇気はありませんでした。自分に負けた。
Text/大泉りか
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