「くすぐり」を初めて体験してみると…

さて、もうひとつの体験、くすぐり。こちらは初めてな上に苦手な意識があるので、わりと覚悟して挑みました。くすぐり用語でくすぐる人のことを「ぐり」、くすぐられる人のことを「ぐら」と呼ぶらしいのですが、「ぐり」を務めてくださったのは、ひめりんごさん。くすぐり界のプリンセスといって相応しいかわいい女の子です。

テーブルに置かれた、刷毛や細い棒の先端に羽をつけたものetc、様々なくすぐりグッズを紹介してくれつつ、実際に使ってくすぐってくれるのですが、それが全部気持ちいい。「ひゃっ!」とか「あんっ!」とか人前で漏らすのはちょっと憚られるような声が漏れてしまうことで、さっきまでの「緊縛? 蝋燭? わたしにとっては健康法ですけど!?」などとクソ可愛げのないわたしはどこに! 北風の太陽のごとく、くすぐりの繊細な刺激に興奮を盛り立てられてしまった……。

そもそも、手錠か何かで手足をベッドの四方向に拘束された状態で、ヒーヒーいうくらい笑われることをくすぐりプレイだとわたしは考えていたし、そんなことされるのは、まっぴらごめんだと思っていたけれど、フェザータッチでのくすぐり、目覚めてしまったかもしれない。

最後には、くすぐりマニアの方が発明したという、サポーターのようなベルトに着けたヘッドスパの小型版のような機械を足裏に当てて、スイッチをオンにするとぐねぐねと痒感を刺激されるという、新作くすぐり機を経験もさせていただき、終わった頃にはすっかりくすぐりの虜になっておりました。今度、くすぐりイベントがあるというので、ちょっと行ってこようかと……目覚めてるじゃないか!

Text/大泉りか