男優に思わず反応して…
「え、男優? マジ?」と思わず反応したところ、向こうは引っ掛かったとばかりにほくそ笑んだ。AV男優に涎を垂らすスケベな女だと勘違いされるのも癪であるので、「わたしはエロライターだよ! AVのレビューとか、前は書いてたよ!」などと無駄に張り合うスタイルで対応し、目の前の信号が青に変わるまでの束の間、軽く会話をしました。その後、別れて職安通りに出たところ、タイミングよくタクシーが来たので手をあげて止めようとしたものの、わたしよりもちょっと手前にいるホストも同じタイミングで手を上げたので、タクシーはホストに前で停車。が、紳士的にも「おねーさん、乗っていっていいですよ」と譲ってくれたので、むしろ方面が一緒なら相乗りしようと、ホストを自宅まで送ることになった。
30分程度の間に4人の男性とすれ違ったことになるけど、その気になればナンパ男とホテルに行くとか、ホストにどこの店で働いているかを聞いて後日指名で行くとかいうこともできるわけで、40代半ばでも人生はその気さえあればいろんなことができる。人生には無限に選択肢があり、そのチャンスはあたりに転がっているものだな、としみじみと思った夜でした。春は発情の季節ですね。
Text/大泉りか
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