いったいどういうおつもりで?

「ワンちゃんがわたしの腕を使って腰を振り始めて、イっちゃったみたい」

は!? これだけは言っておきたいのですが、贔屓目ではなく、我が家の飼い犬はおとなしい性格で、人の身体に腰を押し付けて振る姿なんて、これまで一度も見たことはない。それに腰を振ったとしても、普通の良識あるオトナであれば、「ダメ」と言って振り払いますよね? イクまで振らせるとか、いったいどういうおつもりで?

……というようなことが頭に浮かんだのですが、夫も男友達も「発情しちゃったか~!」と笑っているし、逆をいえばわたしの犬の躾がなってなかったせいで、ご迷惑をお掛けしたともいえるしと、モヤモヤを抱えたまま飲み会は終了。

しかし、熟考した結果、例えハプニングであれども、愛犬を射精まで導いたのは有罪であるとジャッジ。男友達と彼女が帰った後、夫に「やっぱり許さない。今度はあの女は我が家出禁で」と告げたのでした。童貞のまま、一昨年の夏に虹の橋を渡っていってしまったアメちゃん(享年17歳)だけれども、犬生にたった一度の射精があの女だと思うと、悔しくてたまりません(涙)。

Text/大泉りか