誰にとっても働きやすい会社は存在しない!?
11月で今の会社で働きだしてから丸5年になるらしい。
え……? この私が……5年も同じ会社に……本当? と思うと、ちょっと引く。こんなに長く働ける会社だと思っていなかったし、割とすぐ辞めるつもりだったから。
でも、やりたいこと・やれることはまだまだたくさんある。それに、この前出社したときは「舐達麻、逮捕されましたね!またいいリリックが生まれてしまう……」と営業の人がわざわざ席まで来て話しかけてくれたり、ランチの時間は他のチームの仲いい人から離婚調停の話を延々と聞いたり、総務の人に飼育している鳥の動画を見せたりとか。
この会社に、自分の居場所や愛着みたいなものがたぶんあるんだろう。3時間に1度は辞めたくなるし、転職サイトには5社分登録しっぱなしでルーティンワークのように眺めているんだけど。たまに腸が煮えくりかえるくらい怒っているし、嫌なところばかり目につくし、「私ってなんでこんなに仕事ができないんだろう」とよく落ち込むけれど、今のところはもう少し働き続けるつもり。
たまにTwitterを覗くと「ブラック企業・ホワイト企業の見分け方」とか出てきたり、「こういう会社が働きやすくていい会社!」という意識高い系の人の主張を見かけることがあるが、いい会社・働きやすい会社って何なんだろう? とよく考える。今の会社も、たまたま私に合っていただけで人の出入りは激しい。転職口コミサイトの評判もいいとは言い切れない。デメリットを覗くと、かなり納得のできる内容ではある。合う/合わないというのは会社にもあって、誰にとっても働きやすい会社って存在しないんだろうなあと思う。
ブラック企業/のんびりした企業で働いたら…
知っている方も多いかもしれないが、私は就職活動というものをしていない。厳密にいうと、リクルートスーツを着て国際展示場で行われた合同説明会に行き、SPIの本を買って10日間くらい勉強し、大きな会社の説明会に出席しただけで幕を閉じた。なることもなろうと思ったこともないが保険としての教員免許もあるし、将来の夢も憧れの仕事も特にない。大企業とか銀行で働きたいと思ったこともない。そんな訳で、大学を卒業してからフリーターとしてお金を貯め、1年弱くらい海外をフラフラしていた。
そんなスキルも何もない私を雇ってくれる会社などそう多くあるはずはなく、始発出社終電帰宅は当たり前、女性社員だけトイレの掃除をさせられる、社長に「お前、お尻がでかいから安産だな!」と言われる、部長が室内で普通にタバコを吸いながら仕事をしている、その部長が怒鳴ると灰皿が飛んでくる……など、面白エピソードはまだまだたくさんあるが、私が会社員として初めて勤めたのは、このすごいとしか言いようのない会社だった。
たしかにブラック企業だったんですが、だからこそ若手しかいないのでOJTもクソもなく即戦力となってすぐに実務に取り掛からなければならない。つまり、短い期間で自分のキャリアが積める。約4か月しか働かなかったけど、ここで培ったキャリアが次の転職に繋がったので、結果的によかったのでは? と、今の私は考えている(ネタにもなったし)。最悪な会社ではあるが、当時の自分の需要のなさを加味すると、悪い選択ではなかったように思う。
ひとつ前の会社はのんびりした社風で、定時出社定時退社だったし仕事も楽だしサボりまくっていたけど、「社長の節税対策で作られた会社」と言われていて、目標もなければスキルも上がらないし何のために働いているかわからなくなって辞めちゃったんですよね。そういえば。私には合わなかったなあ、あの感じは。
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