「好き」がわかると人生を上手くコントロールできる

他にも、「四月の章」にある「買い上手」も読んでみてほしいエッセイだ。ここでは「おしゃれが上手な人=手入れが上手な人」とされているのだけど、個人的に、これは今まで出会った中でいちばんしっくり来る「おしゃれ」の定義だった。

安いトレンド物をたくさん持っているよりも長く使えるブランド物を1つ持っているほうがおしゃれ! みたいなことはたまに言われるけど、そんなに値が張らないものでも、手入れをしっかり行い買ったものを長く使うことができる人は「おしゃれ」だと私は思う。長く使えるものを持っているということは、それだけ確立された変わらない自分の「好き」があるということだから。私は物持ちはいいほうだが、ただ単にボロボロのものをずっと使っているだけであり、手入れは碌にしていないので、「おしゃれ」な人にはほど遠いけど……。

『すてきなあなたに』を読んで思うのは、結局、自分の「好き」がわかっている人は、人生を上手くコントロールできるのではないかということだ。

「で、あなたは何を目指しているの?」と、もしも問うなら独身女性だけでなくすべての属性の人に聞いてほしいし、もっといえば、別に何も目指さないで生きていてもいいんだと思う。だって先史時代の人とか絶対そんなこと考えてないし(寿命が短かったからだろうが)。

誰かに生きる目的を説明するために、結婚しないなら仕事を頑張らなきゃいけないなんてことはない。というわけで、私は次のイベントで新刊(同人誌)を出すために全力を尽くします。

Text/チェコ好き(和田真里奈)