「他者に介入させない・寄せ付けないキャラ」

先にお話ししたように、わたしは相手が誰であろうと自分の主義主張をはっきりと言うタイプですし、きちんと話せば理解し合えない人はいないとかつては思っていたのですが、必ずしもそうとは限らない、いつまでも対話ができない人がこの世に存在する、というのがここ何年かでの学びです。

自分の価値観に収まらない人は認めない! そもそも存在するわけない! 理解できない! というか理解するという発想すらない! といったステレオタイプの人に対して理解を求めることも、理解できないことに歩み寄ってあげるやさしさも、親切に教えてあげる義理も必要ないのです。
「あぁ、この人はそういう人なんだな。こういう人も世の中には存在するんだな」と認識をしたら、ストレスなく波風立てずに過ごす方向にシフトチェンジすることをおすすめします。

だからといって、言われっぱなし・価値観押しつけられっぱなし・否定されっぱなしはとてもしんどいですし、話を合わせて聞き流すことでその場は表面上穏やかにやり過ごせるかもしれませんが、心に限界がきてしまう。
そこでわたしが学びから身につけた処世術は「他者に介入させない・寄せ付けないキャラになる」こと。

たとえば、あなたの「これが欲しい(だから仕事を頑張りたい)」という言葉に対して上司に「じゃあ稼いでる男捕まえないとね~」と言われたら「えー! こういうのは自分で頑張って買うからこそ意味があるんじゃないですかー!」と明るく返しながら言葉の外で上司の意見を跳ね返したり、「フリーなら男と会わなくちゃ」と言われたら「わたしみんなに大人気だから半年先まで予定がビッチリ埋まってるんですよね~」とわかりやすい冗談をいって(やれやれ……)といった表情を見せたり、「そんなこと言ってたら彼氏できないよ!」と返されたら「このわたしのお眼鏡にかなう人がいたらぜひ会ってみたいもんですね~」といい女ぶってみたり。
他にも、職場で恋愛の話になって根掘り葉掘り聞かれたら「おっと~わたしの恋愛観をぶつけ合うと朝までかかっちゃいますけど、みなさん家に帰らなくて大丈夫ですか? わたし明日有休取っていいですか?」と雑に話を終わらせてみるとか。

大袈裟な冗談を言う、わかりやすい嘘をつく(ただし自分を否定するような内容は言わない)、あえて大きなことを言う、あさっての方向に話を逸らすなどを重ねることで、相手に「この人はアドバイスのしがいがないな、説いても気持ちよくなれないな」と感じさせて、真面目に諭したり導いてあげることが野暮だと思わせるのです。
そうしたらこっちの勝ちです、完全勝利。

ちなみにですが、わたしは職場で陰口大会になったら「この部屋に盗聴器が仕掛けられていたらどうします……?」と話を逸らしたあと全く違う話をし始めたり、愚痴を聞かされて相手がデモデモダッテモードに陥って疲れてきたら「よし! 一旦好きな寿司のネタベスト3を発表しよう! わたしはアジ・ハマチ・真たち!」と雑に話のハンドルを切るようにしています。
明るく、楽しく、自分も相手も不快にならない程度に下手くそな天然を装って、暗に「わたしはこの話題好きじゃないですよ~その話聞きたくないですよ~」というアピールです。
そのうちに、聞きたくない話や余計な詮索をされなくなったという実感があります。

中にはその真意が伝わらずしつこい人もいますが、これならどうだ! とめげずに続けていくうちに、少なくとも「変わった人だな」「ふざけた人だな」という認定をされて結果的に話が逸れるので、それだけでかなりストレスが減りました。
何を言われても「え? 何がおかしいんですか? あなたが押し付けてくる価値観なんて及びではないんですが?」といった態度で常に堂々と過ごすことをおすすめします。

相談文の中に、男性上司はわりと「今は結婚が全てとかそういう時代じゃないんでしょ?」というような言い方をしてくれる人が多い~と書かれていることから、恋愛の話になったときにあなたがきちんと今持っている考えを話されたと推察します。
自分の考えを言葉にすることはとてもいいことだと思います。
ですが、今回その女性上司の存在で実感したように、自分の中にない価値観だからといって無意識的にあなたの考えを否定する人は結構いるものです。
だから必ずしも何もかも正直に言う必要はない、ということをひとつ覚えていてほしいと思います。
もちろん嘘をつく必要はありませんが、上手に話題を逸らす、自分のプライベートな話をしない、聞き役に徹するなどをしているだけで十分ではないでしょうか。

“気にしなくていい人”だけを周囲においてみる

最後に、周囲を気にせず、恋愛に限らない自分の幸せを見つめて過ごすための方法について。
わたしには、あなたはすでにもう自分の幸せを見つめて過ごせているように感じました。
趣味もあって、友達もいて、仕事にやりがいを感じていて、とても充実しているようですから。
もしかしたら今後習い事を始められたり、コロナがもっと落ち着けば海外旅行に行ったりして楽しみが増えてより充実した毎日を送れるかもしれませんね。

おそらく「周囲を気にせず」という部分があなたにとっての主題だと思うのですが、そのためには“気にしなくていい人“だけを周囲におくのがいいと思います。
あなたの考えに対して「まあ、そういうのもアリだと思うよ! 自分にはその考えがよくわかんないけど!」「今ってそういう人増えてるしね!」となど、一見やさしそうに見えるだけで、理解して“あげよう”といった態度の人ではなく、「へぇ、そうなんだ」「ふーん、てか自分の人生なんだから好きにすればいいじゃん」といった当たり前のように相槌を打ってくれる人たちです。

恋人の有無、結婚願望、収入、妊活など、いちいちプライベートことを聞いてこず、好きなものの話や最近あった出来事などを楽しく話せる人たちと付き合うことで、直接的ではないにしろ肯定された気持ちになり、呼吸がしやすくなるのではないでしょうか。
付き合う人間を選べるのが大人の醍醐味ですから、あなたが居心地のいい環境をどんどんつくっていってほしいと思います。

もちろん、仕事などで付き合わざると得ない人もいますから、そういう場合は「それじゃあわたしたちは別の星で暮らしていきましょう」というスタンスを貫けばいい。
万人に理解されるのは難しい、理解し合えない人も世の中には存在する、という認識を持つことは決して諦めではなく、自分が生きやすくなるための知恵です。

Text/ものすごい愛
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