濃厚な愛撫にしびれる体!隠れデブ専のイケメン同僚に押し倒されて/『プリンスは太めがお好き?』(後編)

ぽっちゃりした男性よりも、ぽっちゃりした女性の方が生きづらい世の中?

大泉りか 官能小説 Tiffany Bailey

 突然にカミングアウトすると、わたしはデブ専です。
まぁ絶対にデブじゃないとダメというわけではありませんが、ガリガリの人は無理だし、細マッチョにもそそられません。 できれば平均よりはガチムチとしている人が好き。
ちなみに過去に付き合った彼の中で、一番の巨漢は180センチ130キロオーバー。
今の夫も、デブとまでは行きませんが、腹は十分に出ています。

 さて、デブの魅力とは何か? と問われると、その大きさに勝手に心と身体が魅かれてしまう……ようするに『わたしの持っているフェチ』としか言いようがないのですが、ただ、太った方と付き合うことで、身を持って感じたメリットがいくつかあります。

 一つは、太っている人は恋愛弱者だというコンプレックスを持っていることが多いため、付き合うととても優しくしてくれること。
ペニスが腹に埋もれていて小さいのではないか、と信じ込んでいるゆえに前戯が丁寧なことが多い、他にも、周囲に『ルックスで人を選ばないできた人間』だとありがたい勘違いをされたり、少しくらいこっちが太っても「痩せろよ、デブ」なんて言われることは絶対にありません。

 もっとも、たまにオラオラタイプのデブ男もいて、そちらは『デブのくせに生意気』だと思ってしまうので、やはりわたしもまた、どこかではデブという生き物を自分よりも下にみていることは確かです。

 この『デブは世の中でバカにされやすい問題』ですが、男性のデブよりも女性のデブのほうがその悩みは深刻です。
なぜならば、異性をルックスで判断しがちなのは断然に男性ですし、女同士のヒエラルキーにおいても、互いの美醜が大きく関わってくるせいです。
ようするに女社会であっても、美人のほうが立場が強く、優遇される。

 前編に引き続きご紹介する『プリンスは太めがお好き?』山内詠著(プランタン出版オパール文庫刊)のヒロイン、智美もまたその女社会ヒエラルキーの犠牲者です。