広い高層マンションから小さな一軒家へ『住み直す』

 部屋を見渡してみてください。不要なもの、随分使っていないものが目に入りませんでしたか?
不要なものが多い部屋はそれだけでストレスが溜まります。
シンプルに暮らしたいという思いはあるけれど、物の整理の方法がいまいちわからないという人。
もし、今の部屋の半分以下の広さの部屋に引っ越すとしたら?
 おのずと必要なものとそうでないものがわかるのではないでしょうか。

 本書は、80㎡の高層マンションから約35㎡の仕事場を兼ねた一軒家に引越しをした、
グラフィック工芸家の井上由希子さんによる「ものと心の整理整頓」についてのアイデア本です。

 必要最小限のアイテムを考えることは、自分の価値観が改めて見えてくることに繋がるといいます。
もともと「好きな理由のあるものしか買っていなかった」という井上さんは、お気に入りのテーブルクロスを割烹着やエコバックにリメイク。
カットソーやシャツはハギレにしてストック。
これはあとからアップリケの素材として活躍したそうです。

 夫、義母、愛犬の4人暮らし。仕事場を兼ねた家なので、仕事のオンオフをしっかりさせるためのルール作りにも頭を悩ませたそうです。
今の自分たちに必要なこと、優先事項はなにか。
井上さんは徹底的に夫と話し合ったといいます。
明快な決まりごとは、状況も気持ちもシンプルに整理してくれたのだとか。

「ものの整理ができたとき、心のなかもすとんと整頓できた」。
井上さんはあとがきにてこう記しています。
また、「ものと心の整理はシンプルに引き算を。工夫と人とのつながりは、うんと温かな足し算がいい」とも。
ものを整理することで、心はシンプルに。愛する家族とのつながりは更に強くなったようです。

 もしも、恋人と二人で小さな部屋での生活が始まったら……。
そう仮定して、恋人と話しあってみてはいかがでしょうか。
あなたはなにを残してなにを捨てますか?
すると、自分と恋人の新しい価値観が見えてくるかもしれません。2人の距離はぐっと近づくはず!

書名:『住み直す』
著者:井上由希子
発行:文藝春秋
価格:¥1,680(税込)

Text/Yuuko Ujiie