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  • 2016.06.23

勉強と同様に恋愛も「成果」がでると思ってた。何もかも失って「無敵の人」になるまで

先日、トイアンナさんが上梓した書籍『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』の元となった体験を綴る短期連載第二回!今回は、トイアンナさんの身におこったつらい事件と、それを乗り越えた過程をご紹介いたします。

※この記事は性暴力の経験談を含みます。フラッシュバックする可能性のある方は続きを読むのをご遠慮ください。

頑張れば成果がでる勉強と、うまくいかない恋愛

トイアンナ 恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?
©Mesa Tactical Photos

「無敵の人」という言葉をご存知でしょうか。何も持っていないために、法律だって犯せるし、命もリスクにかけられる人間のことです。

 私はかつて、無敵の人でした。

 誰でも、頑張ればすぐに成果が出ることはハマりやすいはず。人によって得意分野は変わりますが、私にとっては勉強でした。幼少期はただの本が好きな「国語だけはできる」典型的な真面目系クズの私。それが一転、前回記しましたが、スピリチュアルな親から逃れるため必死で勉強するようになりました。

 もともとのスコアが低すぎたせいとはいえ「偏差値を倍にした超学習法」と自己啓発本でも書けるくらいに成績は急上昇。しかし私はむしろ勉強で親から現実逃避することを覚えてしまったのです。頑張れば、すぐに数字で成果が出る偏差値やテストの点数。けれど、どんなに勉強しても人生は荒波のままでした。

そして「無敵の人」になる

 転機はある年の8月。私は性暴力の被害に遭いました。そして死のうとしました。3日ほど昏睡状態になり目が覚めたとき「なんで生きてるんだろうなあ……」と天井を眺めていました。そこからのサバイバルはさておき、堪えたのは復活するまでに聞いた彼氏や元カレからの言葉。

「本当に被害になんてあったのか、元気すぎるんじゃないか」
「レイプされたときにお前の彼氏じゃなくてよかった」

 さらに親からは「ざまあみろ」というありがたい言葉をもらいました。回復までの間、成績はバンジージャンプばりの急降下。集中したくても頭がぼーっとしてしまい、模試で0点を取ったこともありました。同時に金銭難から親族に支援してもらっていた学費も打ち止めになりかけ、学費滞納で退学になりかけます。

 もう、死にたい。でも、ただでは死んでやらない。社会的に成功し、その上で私に関わった人間を破滅させてやる。私から何もかも奪った世界なんて許さない。

 こうして私は、無敵の人になりました。

カウンセリングで知った「共感」の力

 さて、ここまでの人生を私はカウンセリングで振り替えっていました。そして対話を通し気づきました。私は人から共感してもらったことが圧倒的に少ないのだと。人はまず辛いことを共感してもらえなければ自分が悪かったと省みることもできない。与えられたぶんしか、愛を返すことなんてできない。

 泣きながら辛い経験を話して聞いてもらえたり、嬉しかったことをよかったねと言ってもらえたり。そういう共感をもらえて初めて、人は誰かの気持ちをおもんばかる余裕ができるのです。

 1年かけて、私はカウンセラーからたくさんの共感を得ました。そしてもうこれ以上共感してもらう必要はないと思ったとき、「自分はこれまで十分頑張った。だからもういいんだ。生きていていいんだ」という自己肯定が生まれたのです。

5股かけられた彼氏にも、悪いことしたな」
「お母さんもまた、スピリチュアルで現実逃避するだけの辛い人生があったんだろう」

 そういう言葉が、自然に口をついて出るようになりました。

(次回に続く)

トイアンナ 恋愛障害どうして「普通」に愛されないのか?
『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』

 この経験から「たとえ今自分のことを好きでなくても自尊心を育てられるエクササイズ」を編み出しました。6月16日発売の書籍『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』に掲載されていますのでどうぞご覧ください。

Text/トイアンナ

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