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  • 2016.02.26

セフレから彼女になれたら、したいこと/はくる相談室(2)

カラダの関係もあって、デートもしてるのに同期の男性が付き合ってはくれない…社会人1年目の読者のお悩みにはくるさんが答えます!男女の関係における「都合のよさ」の正体を探りつつ、小説と音楽を紹介しながら男性の内面に迫ります!

   

【相談】
 はくるさん、はじめまして。
私は去年の4月から新社会人の23歳なのですが、同期の男性のことが好きです。 研修など一緒に過ごすにつれて彼に惹かれていき、お酒の勢いで肉体の関係から始まりました。
酔っていない時に私から告白したのですが、「遠距離だからごめん」と言われています。
お互い離れて暮らしているので、たまに会うとなると私の家にお泊まり→エッチというのが定番コースです。

 二人だけでショッピングやご飯を作ったりと、一応デートらしいことはしているのですが、「付き合おう」などは言われていません。そのくせに好きとか言ってくるのでかき乱されている気分です。
私はもちろん彼のことが好きですし、今すぐにでも付き合いたいです。
遠距離な上に、社内恋愛はすぐ周りに広まるなど、リスキーで弊害もたくさんあるかとは思いますが、このまま都合のいい女で終わりたくないんです。どうか、お力添え頂けませんか?
(23歳・いのでぃ)

男の子たちの葛藤を思うことができた『長い終わりがはじまる』

はくる 大相談への小さな声 同棲 浮気 結婚
PHOTO/はくる

 セフレから正式な彼女になりたい女性の中には、ベッドでしか会えない、または好きだと伝えたら関係がおわってしまう気がして口にできないという方も多いかと思いますが、相談者様はちがうようですね。外でデートをしてくれるということは、一緒にいてもつまらないとか、なるべく手間をかけたくないというわけでもないようです。そして既に好意も伝えてある。相手も好きだと言ってくれる。お互いの確認こそ取れていませんが、恋人同士にかなり近い状態ということになると思います。

 ふと、山崎ナオコーラさんの『長い終わりがはじまる』(講談社文庫)という本を思い出しました。

 このお話の主人公は大学生の女の子で、彼女はサークル仲間の恋人のいる男性(田中)に片想いをしています。ある日、彼女は彼の家へと遊びにいき、流れで肉体の関係を持ってしまうのですが、その後「田中は何を思っていたの? 誰が好きなの? 何故はっきり聞かないうちに泊まってきちゃったんだろう、自分のことを好きじゃない人のベッドで寝てきてしまった」(講談社文庫,p68,2011)と思いながら泣くシーンがあります。そして後日、彼女は田中との電話の中で「好きになったみたいなんだよね」と伝えられ、かつての恋人には既に振られているという事実も告げられ、だけどその電話がはたして恋人になろうという電話だったのかわからない。相談者様の状況と全く同じではありませんが、重なる部分も多いのではないでしょうか。

はくる 大相談への小さな声
山崎ナオコーラ『長い終わりがはじまる』(講談社文庫)

 この小説は、前述の通り相手の本心がわからず戸惑う女性が主人公ですが、サークル活動を通して日常的に接したり、まるで恋人のような行為をしたりということを繰り返す中で、自分の気持ちを模索する男性側の様子もまた描かれています。わたしはこれを読んで、わたしたちを混乱させるつかみどころのない男の子たちにも、それぞれ考えがあり、葛藤があり、真実があるのだという当たり前のことを思い出しました。

セフレから彼女になるための「抜け道」とは

 セフレと彼女の違いとは。彼女になることで今と何が変わるのか。きっとあなたには、今までとは別の正式な彼女になってやりたいことがあると思います。取るに足らない日常の共有だったり、友達に『彼氏』としてその彼のことを話したり…。
それでは、彼の方は恋人になることで何が変わると思っているのでしょうか。もしあなたが思っている「彼女になってこんなこともしたい」と、彼が思っている「彼氏になったらこれもやらないといけなそうで嫌だ」の内容が合致していなければ、抜け道があるようにわたしは思います。

 もし彼が「彼氏になったら自分の時間が減りそうだから嫌だ」と思っていて、だけどあなたが「頻繁に連絡を取りたい」、もしくは「毎週末必ず会いたい」と思っているわけでないのであれば、彼の懸念はある程度問題がないということになります。社内恋愛とのことですが、あなたが「リスキーで弊害もたくさんある」とおっしゃったように彼も全く同じで、それが致命的なネックになっている可能性もありますよね。もしそうなのであれば、社内では仲の良い同僚にも必ず秘密にする、恋人同士というそぶりは一切見せないということを約束すれば、彼の不安は拭えるかもしれません。

情けなくなることで、都合のいい女から抜け出せる

「都合のいい女で終わりたくない」というのは多くの女性が一度はぶつかることの多い悩みではないかと思います。それでは「都合のよさ」の正体とは一体何なのでしょう。世間一般がいうようにセックスができるということなのかもしれませんが、それに加えて「確信的なことを言わない」という要素も大きいのではないかとわたしは考えます。
男性自身ルール違反をしている自覚はあるわけですから、痛いところを突かれたらもちろん良い心地はしません。ですが彼の場合、他に彼女がいるというわけでもないようですし、今はうやむやになっているのかもしれませんが、もう一度確信的なことを言う勇気を持つことができれば、どうして恋人同士になることを嫌がるのか話し合うことができれば、事態は好転するかもしれません。

「確信的なことを言わない異性」という生き物は、やたらとイイ女(イイ男)に見えるものですよね。情けない部分にフタをしているわけですから当然なのかもしれませんが…。イイ女というまぼろしと対峙している彼は、「付き合ってくれない」という意味で自分自身が「都合の悪い男」であるという認識を、持てなくなってしまっているのかもしれません。
どういう形であれ、彼を失いたくないという思い以上に「都合のいい女で終わりたくない」が肝なのであれば、彼女みたいな人という概念ではなくて、恋人として生活にコミットしたいのだと改めて伝えるべきです。面倒に思われることや、惨めな思いをすることを恐れずに、一度しっかりと情けなくなるべきです。彼自身も「確信的なことを言わない異性」であるわけですが、そのペースにいつまでも乗せられてしまっていてはやはりいけないのだと思います。

『パルテノン銀座通り』に込められた、男性の不確かだけど確実にある願望

はくる 大相談への小さな声
たま『パルテノン銀座通り』

 ここで“たま”の『パルテノン銀座通り』という歌を紹介したいと思います。
 わたしは「男女がときどき恋人になる」という内容のこの歌がとても好きで、全文掲載したいくらいなのですが、ぜひ聴いてみていただければと思います。男性目線で歌われている歌で、「この楽しい状態が続くことを願うだけ」といった主旨の歌詞もあり、相談者様の望んでいる思いではないことは重々承知なのですが…。男性の抽象的な、だけど確かに存在する願いの一つとして聞いて頂ければ幸いです。

 体の関係からはじまったカップルが、わざわざ「付き合う前に勢いでセックスしちゃったけど今はラブラブです」と公言することが少ないため聞こえてくるのは逆の意見ばかりというだけで、セックスからはじまる恋は実際にめずらしくないはずです。
彼の本心はまだわかりませんが、そして順番こそ間違えてしまいましたが、あなたが彼を真面目に好いていることは間違いないのですから、誠実に立ち向かってください。

つづく

TEXT/はくる

ライタープロフィール

はくる
新宿ゴールデン街で働くインターネット十二年生。根暗ポップ。Twitter:@silonica

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