女性的な振る舞いで喜ばれる女子アナタイプがまぶしい… 身を削ることで誰かを喜ばす青春時代

雨宮まみ だって女子だもん!! 格言 名言 インタビュー

―恋愛にがんばってみようというきっかけみたいなのってあるんですか?

雨宮:好きな人は自然にできちゃうんですけど、なかなかそこから勝算のある戦いに持ち込むことができなくて。
高校生時代も、結構がんばってアプローチしようとはしていたんですけど、いかんせん高校でもイロモノ街道を爆走していて(笑)。

高校のときって一番容姿のごまかしがきかない時期で、制服だしお化粧とかもできないし…そこから這い上がる方法がまったくないんです。
モテてる子たちと比べても「いや、私は圏外でしょう」と…。でも、今思えば圏外なりに気持ちを伝えてみれば良かったのにね。
 その手前で「ちょっと私無理だな…」と、自己評価が足止めしちゃって勇気が出ない。自分が「好き」って伝えることで、相手が喜んでくれると思えないんですよね。そんな状態が結構長く続きましたね。

―高校時代にハマったものはありましたか?

雨宮:高校時代は、ファッションが好きだったので文化祭でファッションショーをやりました(笑)。
他にも演劇をやったり、変わった人になることがアイデンティティでしたね。
普通の女の子らしいかわいいふるまいをすることと、変わった人っぽい行動をして目立つことを天秤にかけると、女の子らしいふるまいができないから、変わったことをしないとただの特徴のないモテない人になっちゃうから、必死で変わった人に見られようという努力をしていました。

―それはもうモテを捨てるという選択肢だったのですか?

雨宮:ちょっとでもモテたという経験があれば、それを捨てるのにためらいがあったと思うんですけど、もう小学校高学年から「お前はイロモノだ」っていう扱いを受けてきたので、最初からそれはないものとして刷り込まれていたんです。
自分がモテるっていうことを想像する回路が完全にカットされてたみたいで…(笑)。

―そういう女子はかなり多くいると思います。

雨宮:彼氏がいないと、自分がかわいいことして男子が喜ぶっていう経験がないから、想像できないんです。
自分が何かをして誰かを喜ばせるっていうのをモテ以外で考えるとどうしてもおかしな方向に…(笑)。

自分の女性らしい振る舞いで喜んでもらえる経験があれば、女子アナとかスチュワーデスとか、いわゆる女性らしい職業について、素敵な振る舞いを社会に活かすという、まっすぐな道をいけたはずなんですけどね。
それじゃ喜んでもらえないから、身を粉にして笑いをとるとか、身を削る方向にがんばっちゃうんですよね。

―それがこじらせ女子の特徴ですね。まず女子アナって選択肢一切ないですからね。

雨宮:人種が違うからね。性別は同じ女子なのに…(笑)。

―近くのお友達にもモテている人はいなかったんですか?

雨宮:いたんですけど、彼女は本質的に自信に満ち溢れていたんです。
だから、学校のヒエラルキーや女子同士のせせこましい暗黙のルールを無視して、好きな男と付き合っていました。
それを見て「恋愛は見た目の問題というより、自己評価の問題なんだな」というのは、当時も薄々分かっていたとは思うんですが、そこまで自分はふっきれられなかった。
恋愛ができないし、女としての自信が持てないから「将来やりたいことを見つけて、仕事もきちんとできるようになったら、きっと自信がつくんだろうな、この自信のなさは職業を獲得した時に、なんとか解決されるんじゃないか」と思っていましたね。