20代の頃は人に嫌われるのが怖かった

恋愛一揆 中村うさぎ AM 自分を大切に 中村うさぎさん

中村:それに20代の頃は、人に嫌われるのがものすごい怖くて。

──それ、わかります!

中村:それはもう10代の女子校のころから、ハブられるのが怖いとか、いじめられたくないって思いがあったから。みんなから好かれたい気持ちが強かったですね〜。20代になってからも、まだ周りから嫌われてるんじゃないかとか、ずっと気にしてたんですよ。

 でも、30代の半ばくらいから、もうなんていうか、私のこと嫌いな人に好きになってもらう必要なくない? ってなった。私だって嫌いな人いるし。嫌いな人から「好きになれ」って言われても無理だし。お互い好きになれない相手ってどうしてもいるわけでしょ。

 しかも嫌われたくなくて人の顔色見て生きるとしても、それはそれでいろんな人がいるからすべての人の機嫌をとることってできないじゃない。
 
──かなり難しいです!

中村:買い物依存症の話にしても「もっと買え! もっと買え!」っていう人と「もういい加減にしろ!」っていう人がいて両極端なわけだから、自分の生き方なんかを他人の判断に委ねてたら、いつまでたっても決まらないですよ。

──他人の意見よりも自分が覚悟するしかない、と。

中村:そうですね、自分の生きたいように生きるしかないし、それに対して嫌いとか批判とかがあるのは当然だし、嫌われるなら嫌われるでそりゃしょうがないなって。

 この名前で書く仕事を始めてからなんて、横槍っていうか、批判はいっぱい、嫌ってほど受けたんですよ。
 
 まず、文春で連載を始めた頃に、抗議の手紙がものすごいきたんですよね。「こんな税金も払わないで、買い物ばっかりしている人間、はっきり言って人間としてどうかと思う。自分はもうずっと何十年間も真面目に働いて、税金おさめてきたのに、こんな馬鹿みたいな女のやりたい放題を載せるなんて御誌の見識を疑います」(75歳・無職)とか。
 
 そういうのに対して、最初のうちは笑って「また言われた(笑)」みたいに、ギャグにしてたんだけど、そのうち、そういう手紙もぱったりこなくなっちゃったんですよ。ということは、みんな諦めたか、嫌いな人は読まなくなったってことじゃない? 
 
 叩かれるのはね、もうしょうがないというか。だってみんなが私のことを好きなわけじゃないじゃん。嫌いな人もたくさんいると思うし。
 
──そう思えるようになったのは、何か具体的な出来事があったんですか?

中村:なんか嫌われることに慣れちゃったっていうか。いろんな人からあまりに嫌われたり、怒られたりすると、それがもう普通のことになっちゃって開き直ったというか(笑)。

──嫌われることにも慣れるんですね。

中村:そうですね。ただ、嫌われる相手が世間だったから、顔がないわけじゃないですか。例えば、職場とかで嫌われたら不快な目に遭うけど、私の場合はネットで叩かれるとか、抗議の手紙が来るくらいで別に実害がなかったから、脅威に感じなかったっていうのもあるかもね。