今回の特集は「セフレ」。著書『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか? 僕が渋谷でワインバーを続けられた理由』(DU BOOKS)やCakesでの連載「ワイングラスの向こう側」、Facebookページでの投稿が話題の渋谷のワインバーBarbossa(バールボッサ)の店主・林伸次さんに「セフレ」とは何なのかを伺ってきました。たくさんのご友人やお客様との会話から生まれた多彩なセフレ論を、ぜひご自身の考え方と照らし合わせながら、楽しんでみてくださいね。
20代の女の子と付き合う悪いおじさん
林:ちなみに、うちで一番多いのは結婚していて20代の女の子と付き合う悪いおじさんたちなんですけど(笑)。
それって、セフレなんですよね?って聞くと、だいたい「そう言ったら可哀想だよ」って言う人が多いです。でも、「そうなんだけどね、本当は」とも言っていて(笑)。
だから、そういうセフレも多いです。
彼女たちが絶対に「結婚して」と言わないのも分かっているし、彼女たちもお食事に行けるし、「○○さん紹介してくださいよ~」とかステップアップにもなったりするんですよ。
―林さんはそういうセフレをどう思いますか?
林:僕は、それで経済が回っているし、どちらもお互い得しているからいいと思うんですけど、女の子がそういうことしていたら幸せになれないよっていつも思うんですけどね。
―なんでですか?
林:1万円のお寿司とかに慣れてしまうと、同い年くらいの経験値が低い男性と付き合ったときにつまらなくなっちゃって。
ついつい面白い方に手を出してしまって、戻って来れくなるという。
―面白いですね。前借りみたいなものですね。
林:前借りはいい言葉ですね。その男性たちもやっぱり権力とかお金とか色んな物を手に入れたら、若くてかわいい女の子で自分の権力を確認したいんですよね。
純粋に恋愛したい人たちもいるんですけどね。けっこう取り返す人たちも多いんです。
そういう人たちって受験戦争とか色々やっていたから20代とかあんまり遊んでいなくて、後から取り返そうと思っているのかもしれないですね。
―青春を取り返したいんですね。確かにFacebookとか見ていても、林さんの投稿に対してレスしている方ってどうやら既婚者の方が多そうと思っていて。
林:やっぱり社会的地位とか手に入れたら、自分の男性的な魅力に自信が出てくるんですよね。
そこで再確認したくなるんですよね。
―そういう形のセフレもいるんですね。それってセックス自体を楽しむというよりは、恋人の方が近いかもしれないですよね。
林:そうですね、楽しい部分はセックスじゃなかったりしますしね。