恋愛は恋愛、セックスはセックスで楽しめる人たちとセックスの相性
―恋愛感情なしでセックスしている人たちも結構いらっしゃったんですね。
林:「恋愛感情がないとセックスできないんじゃないの」って色んな人に突っ込んで聞いていたんですけど、そしたら「いや、そうでもないよ」っていう人たちもけっこう出始めて。
最近の恋愛事情を取材している人たちに聞いたんですけど、恋愛は恋愛で別にしておいて、セックスはセックスで楽しんでいる人たちがいるって。他にも同じことを言っていた人たちが二組ぐらいいて。
この『脳はこんなに悩ましい』(新潮社/池谷 裕二、中村 うさぎ)という本がすごく面白くて、これに、「人は何をしているときに幸福を感じるのか」というデータがあるんですが。
ランキング1位はセックスで90点を超えていてダントツなんですよ(笑)。
ねずみでさえもセックスをすると、ストレスが解消されるって書いてあって。
その次が、77点でエクササイズ、3位がお喋り。意外と料理とか、ダラダラするとかは点数が低いんです。セックスだけが圧倒的に90点を超えている。
それも踏まえて、みんなの言い分を聞いていると、セックスが圧倒的に気持ちいいからするっていうんですよ。
快感得られるからやっている人が確実に沢山いる。
そんな話をしていると「すごく合う人とやったら、肌を触っていたり、はめているだけでも気持ちいいんだよ」とも聞きました。
ちなみに、その人たちによると、合う人は20人に1人ぐらいらしいんですよ。
とある女性は、ものすごく合う人と出会ったけど、お金や恋愛とか色々な価値観が合わなくて、このままだったら不幸になるわと思って、泣く泣く別れたと言っていました。
全然年下の女性なんですけど、「セックス合う、合わないとか本当にあるよ」って言われて、「あ、そうなんですか」って(笑)。
ブラジルの人の激しい恋愛観
―セックスに関してはあらゆる価値観が存在しますね。
林:そうですね。実は以前、2年ほど日本のブラジルレストランでブラジル人と働いていて、2か月間ブラジルで暮らしたこともあるんです。
そこで知ったのが、彼らってセックスに対して、ほとんど罪悪感を持ってないんですよ。本当に普通にしちゃうんですよ(笑)。
だから、男性も女性も恋愛する前に初めにセックスするんです。
なぜか聞いたら、「好きになってからセックスしてしまったら、合わないときにお互い辛いじゃない」って。
恋愛感情はまた別のものであって、すごくすごく好きでも相手が結婚していたら辛いし、身分が違っても辛いから、色んな条件を合わせておいてから恋愛するのが、恋愛ってものよって教えてもらって。
すごいですよねー。そのときにも、セックスが合う、合わないって本当にあるんだなって思いましたね。
また、もっとさらにスポーツのようにやっていて、恋愛とか結婚とは別にセックスを楽しんでいるという方もいますよね。
そういう方たちを取材した人に話を聞いたら、何百人斬りというようなことをやっているのは病だと。
モテなかった経験があったり、東電OLみたいに自分が女性として認めらなくて、それを承認して欲しいがためにやっている人はいるねって。
でも、本人たちはセックスが気持ちいいからっていうことでやっている。
―林さんはそれを病だと感じますか?
林:病なのか分からないですね。
もしかしたら、恋愛感情がないとセックスできないと言っている僕らの方が実は病かもしれないし。どっちが病なのかは難しいですね。
恋愛という感情自体もしかしたら幻想かもしれないですし。