矢口と不倫問題
―不倫をした女性に対する世間の目がすごく冷たいように感じます。
特に昨年の元モーニング娘の矢口真里の不倫報道が強いバッシングを受けていたのが印象的だったんですけど、これはどういう理由からでしょうか?
さっきおっしゃっていた嫉妬心などが関係するのでしょうか?
植島:嫉妬心はすごく大きいと思うけど。
このあいだ湯山(玲子)さんと対談したときには、「これが矢口真里じゃなくて、中谷美紀だったらオッケーなのにね」って話したんだけどね。あと蒼井優とかだったら。
矢口真里はちょっとイメージがよくなかったかな。
中谷美紀だったら、いろいろ悩んだんだろうなって思われそうじゃないですか。
―確かに、中谷美紀だったら映画のワンシーンみたいですしね(笑)。
植島:ただ、やたらメディアが道徳を振りかざして責めたてるのは、みっともないですね。
前に芸能レポーターのことを批判したことがあるんだけど、自分はそんなに偉そうなことを言えるのかっていう人間ばかりなのにね。
―本当にそうですよね。
こういう報道を見て、やっぱり不倫をする女性はモテないんだなって思った人も多いかもと思っていて。
植島:僕の周りにいる30代の女子たちで不倫していない人ってほとんどいないけどね(笑)。
本当にごく普通の仕事している人たちだけど。
―矢口真理報道のときに、突如「不倫なんて誰もしてない」という雰囲気で叩かれた気がしたので。
植島:80年代90年代の反動かな。
セックスに対して自由になろうっていうメッセージが社会に溢れたときは雑誌も売れたし、テレビもすごく人気があったわけです。
でも、社会が不況で収縮してしまうと、今度は誰か得をしているやつがいるんじゃないかという雰囲気になってくる。
これはよくない傾向で、いわゆる「貧すれば鈍す」ですね。
お金がある時代ってやっぱり心も豊かなんですよ。
悪いこともいっぱいあったけど、恋愛やセックスに関してはすごく豊かな時代だった。
そういう時代がまたくるといいんだけど。
―来てほしいですね。
言い方悪いですけど、20代の恋愛はちょっと貧乏くさいところがあるんです。結婚だけを目的にしていて、無駄を一切排除しているというか。
植島:女の人はどう思っているか分からないですが、ぼくは婚活とかあまり好きじゃないですね。
「婚活」っていう言葉自体がもの欲しそうで下品な気がして。
しかしまあ、そのくらい選択することや、人との繋がりが難しくなった時代ということですよね。
ご本人たちからしたら切実だと思うんだけど。
―結婚してないとヤバいんじゃないかと不安になる気持ちはありますね。
結婚したいのに、恋愛したいというのは恥ずかしくて言えないから、一見簡単に見える婚活に流れてしまっているところもあるのでしょうか。
植島:恋愛の豊かさを十分に満喫すれば、自然に結婚に移行していくと思うんです。
でも、恋愛をすっ飛ばして結婚にいこうとすると、どこかに歪みが出ると思いますね。