密かな女子バトルが垣間みえる惨めな女子会

 AMライターのみなさんに今月の特集「女の敵は女」について、コラムを書いていただきました。
第1回は、連載「結婚と幸せの方程式」の中村綾花さん。
世界婚活をし、フランス人男性と結婚し、パリで生活をおくる中村さんが遭遇した恐い女とは…。

■密かな女子バトルが垣間見られる惨めな女子会

私の強敵はパリジェンヌ

中村綾花 AMライター 女の敵は女 パリ フランス 海外恋愛事情 Yevy Photography

 ただいまパリは朝9時まで外は真っ暗で夕方の5時にはまた真っ黒になってしまいます。
夜長なんてもんじゃないです。雨なんか降ろうものなら一日中暗黒の雰囲気。
そしてこの国にも師走というものがあるのか、クリスマスプレゼントの買い出しに駆け出すパリジャンたちでショッピング街が激混みします。
パリ中心地にある我らがユニクロも入店待ちに並ばないといけないほどらしく、人ごみぎらいの私は怖くて近寄れません。

 このクリスマスに向けての意気込みやら、日照時間の少なさが影響するのか、私が思うにこの時期のパリの人々は最も攻撃的になっている気がして身構えてしまいます。

 だいたい何か嫌な思いをする事が多いのもこの時期です。
例えば、私が地下鉄から降りようとしたら、乗ってくる人が全くよけず体当たりしてくるとか、道端でガツガツ歩いて人とぶつかろうが知らんぷり、カフェのサーバーの態度が冷たすぎるという具合です。
ちなみにこのエピソードのお相手は全員女性です。
そう、いつもむかつくパリジェンヌが、追い打ちをかけて腹立たしくなる気がします。

 やはり、人肌恋しくなる時期に一人の女性は鬱憤がたまってしまうのは日本に限らずここフランスでも同じかも知れません。ただ、クリスマスは恋人と過ごさなければ! みたいな日本独特の脅迫はまずなく、家族と過ごすのが定番なので、そういうストレスはないはずなんですが…。

 他には、動物のようにケンカするパリジェンヌを路上で見たときには血の気が引きました。
ハンドバッグを振り回したかと思うとつかみ合って大ゲンカする40代くらいの(若いビッチとかではないんですよ!)マダム二人を見た事があります。
いよいよ髪の毛を引っ張り合うか! という時に、近くのカフェからムッシューが二人飛び出してきて彼女たちを止めていました。
パリジェンヌの本性を垣間見てたのと同時に、知り合いでもないのにケンカを止めに入るパリの男の優しさというか親切心を改めて感じました。