彼にも責任をとってほしい?!
浮気は彼にも責任があるのだから、私だけ全額負担するのは許せない!300万円の慰謝料なら150万円しか払いたくない!気持ちは分かりますが、この言い分は通るのでしょうか?
結論としては通りません。
たしかに、不貞行為は彼とあなたとで行っていますね。
なので共同不法行為といって、二人の責任は共同の責任(連帯責任)になります。
ただ連帯責任である以上は「奥さんから請求されれば全額を払わなければならない」のです。
なので半分しか払いません、とはいえません。
もちろん、彼に対して「あなたも悪いんだから半分払ってよ」というかたちで、いわば立替分を後から請求することはできます。
これを「求償(きゅうしょう)」といいます。
しかし、泥沼の争いになった後、彼は結局家族を選ぶことが多いのです。
「お前なんかもう知らない」といって払ってくれなければ、裁判を起こしてまで回収することになります。
しかし時間も費用もかかりますし、彼から求償金を必ず回収できる保証はありません。
裁判を起こされる可能性は?
奥さんが慰謝料を請求してくる場合、大体は「金額の話ではない。許せない。反省してほしい」という気持ちの問題が大きいものです。
となれば、当然「相当のお金を積んでくれないと納得できない。裁判の被告となってもらうことで精神的にダメージを与えたい」ということになるわけです。金額云々よりも裁判を希望される女性は相当いらっしゃいます。
となれば、あなたとしては多額のお金を積むか、裁判で時間と労力と費用(通常は弁護士を立てるので弁護士費用も)をかけるか、いずれかの選択を迫られることになります。
「証拠はないから裁判で負けるはずがない」と強気の方もいらっしゃいますが、裏でこっそり探偵を雇っている奥さんも最近は多いのです。
しかも、裁判になるまで手持ち証拠は通常開示されませんので、裁判になって「完璧な証拠が出てきてびっくり。むしろ“やっていない”と否認していたから裁判官の心証が悪くなった」なんてことも十分あり得るわけです。