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浮き足立つ恋愛の次のステージは
「きょう何食べた?」の先にある!

川上未映子さんが『りぼんにお願い』(マガジンハウス)というエッセイ集で、恋愛におけるマンネリ関係について、「食事という行為―ふだん見えないところに食べ物を入れて咀嚼したり、飲み下したり―ある面で、とても性的なものであるがゆえに、それだけで満たされてしまう」と書いていて、つまり、食事を重ねることでセックスが必要でなくなってくるのではないか、と看破されていましたが、なるほど。

これまでの男性との関係でわかってきたのは、わたしが求めているのは「相手に媚を売らない正直な関係」、そして「欲望に身を燃やす恋愛関係ではなく、穏やかな日常」なんだということ。

元恋人は、食事の際わたしに何が食べたいか尋ねるけれど、ほぼ最終的な決定権を自分が持っていました。
ある別の男性は、それとは逆に「何食べたい?」と聞いてくるものの自分では何ひとつ決めてくれず、結局お店もわたしが決めれば、メニューも選んで、会計もわたしがまとめて、もちろんワリカン……、ヤ、ワリカンがダメとかじゃなくてなんでわたしが誘われたのにエスコートしてんだよって話で。

入れて出すセックスだけの関係は、インスタントに自尊心を満たしてくれるかもしれないけれど、その瞬間だけの欲望。自信が持てず、まともな恋愛関係を築いた経験のない人なら、そんな実りのないセックスを繰り返してしまった過去があるのではないでしょうか。または、同じ恋愛パターンで失敗してしまう、とか。

開高健さんは「心に通ずる道は胃を通る」とも書いています。
言うは易しですが、好きな人との食事の中身や相手の振る舞い、また自分の心持ちを見つめ返してみる。
そうすれば、自分の求めているものと、現実に相対している人とのズレや一致が確認できて、自分の求める恋愛の形がわかってくるのかもしれません。わかったからと言って、上手くいくかどうかは、さておき。

【つづく】
次回は、食事と色事の共通点や食卓の戦場化についてお話します。

Text/鈴木みのり

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