甘え下手な優等生キャラは得をしないが
男に縁がない訳ではない
中村:本当は弱くないと思うんだけど、弱い振りをして、なんでも他人に押し付けちゃう子が甘え上手なんだろうなっていつも思う。
「私できない、苦手だからお願いします」みたいな感じで気がついたら皆がそいつの面倒を見てるみたいなね。
―あまりプライドはないということなんでしょうか。
中村:「できない」ということでプライドが傷つく精神構造ではないですね。
だから、優等生タイプではないと思う。
優等生タイプの女の人って「できない」ということでプライドが傷つくし、カッコ悪くてできないから、「できるだけ努力をします」って答えちゃうじゃない。
だから、優等生は甘えベタだよね。
多分甘え上手の人って、劣等生ではないけど、クラスの学級委員とかリーダー格というような位置に自分を置いたことも、置かれたこともない人だよね。
―成長するにつれて甘えを身に付けたというか。
中村:そうだね。そういう人のほうが結果優等生より得はしていると思うのね。
優等生が結局ヒーロー、ヒロインになれるのってせいぜい小学生までじゃない。
中学生、高校生になったら、優等生だからって皆にスゴイねって言われるわけでもないので。
だから、違うことをしている人が自分を追い抜いて、めきめきと人気者になる。でも、それはそれで体質なので。
私は最初からできないって言って甘える人よりは、頑張り屋さんのほうが好きなんだよね。
でも、優等生は得はしないです(笑)。
―でも、優等生は優等生でこの先頑張って行けばいいんですよね?
中村:かわいげない路線でね(笑)。
仕事とか頑張ればカッコいい路線にいけるかもしれないし。
同性に人気は出るよね。ただ、男性はかわいげがないねって思うかもですね。
でも、大丈夫なんですよ。
男の人と優等生気質のせいで縁がないということはないので。
甘える女ばかりが男をゲットできるわけでもないですし。
さっきも甘えベタな人は男を別の方法で立ててやれって言ったけど、他の形で男の人から愛されたり、好かれたりする道は絶対にあるんですよね。
そっちを模索したほうがいいと思う。
第二回は「依存して自分を見失ってしまうことについて」お送りします。お楽しみに!
中村うさぎ
1958年生まれ。福岡県出身。同志社大学英文科卒業後、OL、コピーライター、ゲーム誌のライターを経て、1991年にライトノベル作家としてデビュー。『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーになる。
その後、自身の壮絶な買い物依存症を赤裸々に綴ったエッセイシリーズで大ブレイク。
以降も、ホストクラブ通い、美容整形、デリヘル嬢体験を通じた、女の生き方や女の自意識に関する著述で多くの支持を集め続ける。