中村うさぎさん「甘えと依存」インタビュー

恋愛のドロ沼にはまる唯一の価値は”最も愚かな自分”に出会えること(2)

小説家・コラムニストの中村うさぎさんに、ご自身の体験を踏まえて、「依存と甘え」についてのお話を伺いました!

 今回は、小説家・コラムニストの中村うさぎさんに、ご自身の体験を踏まえて、「依存と甘え」についてのお話を伺いました。
第二回は、「依存」とは一体どんなことかを解き明かしていただいています。 依存を重ねてドロ沼状態になりがちなあなた、ぜひ読んでみてください。
第一回「甘え下手な優等生キャラは得しないが男に縁がない訳ではない」も合わせてどうぞ。

ホストクラブのエレベーターで
手首を切る女に出会う

中村うさぎ AM 恋愛 甘えと依存
©AM編集部

─気をつけたほうがいい依存例ってありますか?

中村うさぎさん(以下敬称略):やっぱり相手のことも自分のことも追い詰めてしまうのは、最悪だと思うんですよ。
ほとんどが狂言だけど、自殺未遂する人もいますよね。

そういえば、私、道端で手首切ってる女の人に会ったことがあって。

―えー!

中村:歌舞伎町のホストクラブに行こうとして、そのビルのエレベーターホールについたら、女の人が寝ていて。
最初は酔いつぶれて寝ているんだと思って、
「こんなところで寝てたら風邪引くよ」って声をかけたら、血だまりができていて、よく見たら手首切ってて。
私と連れの友達が、「大丈夫? 血が出てるじゃん、救急車呼ぼうか?」って言ったら、「あ、いいんです、助けに来てもらうので」っていって、メールを打ち始めたの

 まあ、ホストにハマっている女が振り向いてほしいあまりに、ホストクラブのエレベーターホールで手首を切るという暴挙に及び、何も知らない通行人をこんなにおびやかして…という状況だったんだよね(笑)。
出血量もドクドクドピューとかじゃないし、そもそも動脈切れてたら意識なんてないよね。
この人は私たちに助けられたくないんだろう、そのホストが来るまでほっといてほしいんだろうということがわかったので、「がんばってね」って通り過ぎてしまったんですけど(笑)。

 でも、そこまでいったら、やっぱりそれって病ですよね。

―本当に苦しいところまでいってしまっていますね。

自分を追い詰めずにはいられない人々

中村:でも、そういう人ってもう相手も自分も追い詰めずにはいられないと思うんだよね。
あと、男の人の場合は依存の先がDVになって、女の人は自傷になるんですよ。
手首切らないまでも、ものすごい自暴自棄で「私なんかどうせ」状態になったり、自己卑下がひどくなったり、自傷傾向が強い。
男の人の場合は相手を傷つける他罰傾向が強いですよね。
ここが男と女で、決定的に違う。
具体的にいえば、このDVとか自傷っていうのが最もだめな依存ですよね。

―そうですね。

中村:かわいそうだけど、周りにも迷惑かけちゃうしね…。
でも、自分の意思でやめようと思ってやめられるもんでもないから、セラピーが必要なレベルですね。

共依存もあるしね。
特にDVなんていうのは、殴っている男と、殴られている女の間にひとつの共犯関係みたいなのが成り立っちゃっているので、もうやめるのも大変ですよ。

ただ、そもそも恋愛は共依存なんですよ。
依存すると、「この人がいないと私はだめ」ってなるよね。
本当はだめじゃないんだよ? その人がいなくても全然生きていけるんだけど(笑)。
だめ、みたいな気持ちになるのが恋愛だから。
あの人がいないとだめー! ってお互いにライトに思い合っている、ハッピーな依存が一番楽しい共依存状態。
でもまあそんな期間なんて、半年続けばいいんじゃないかな。
そこからだんだん、依存が解除されるか、ダメな依存に陥ってしまうから。