甘えにつき合うことは、決して時間のムダじゃない!

じゃあ、どうすればいいのか。残念ながら、答えはわかりません。またもや白旗宣言ですみません……。ただ、意識しておくべきポイントはいくつかあると思います。
まず、冒頭にも述べたように、こういった構造な問題があることを知り、甘え下手な自分を責めすぎないことが大切です。
「甘えられないのは時代のせいだ!」と背負いすぎてる自己責任をいったん放棄し、心を軽くすることから始めてみるのはいかがでしょうか。

それに、「実際、人はそんなに忙しいのか?」という疑問もあります。
忙しいというのは何となくのイメージであって、実際のところはどうなんだろう、という疑いです。
そこで、「相手も忙しいだろうし、甘えちゃ悪いよね……」と自分にブレーキをかけそうになったら、

「いや、待てよ。ゴロゴロしながらパズドラやってるだけかもしれないな」

と考えてみるのはいかがでしょう。少しは甘えやすくなるかもしれません。
事実、私もかつてつき合っていたカノジョからの電話に「ちょっと立て込んでるから後で折り返す」と言ってしまったことがありますが、そのときやっていたのはウイニングイレブンでした。だからフラれたんですね!

忙しさを計る尺度なんてないわけで、人の忙しさは原理的に比べられません。
時間の有効利用はとても大切なことですが、それにとらわれすぎると、ペースを乱されることを嫌うだけの心の狭い人間になりかねません。
それに、自分のためにばかり時間を使ってる人って、何かつまらないですよね!

誰かの甘えにつき合うことは決して時間のムダなんかじゃなく、パズドラよりもウイニングイレブンよりもおもしろい可能性だってあります。だって、いきなり電話かかってくるなんて、相手から信頼されてる証拠ですからね。それを喜べるくらいの余裕は常に持っておきたいものです。

みんな忙しいのは当たり前。そんな時代を乗り切るためにも、恋人同士、友人同士、甘えを許容しながら支え合っていけたらいいですね!

Text/清田隆之(桃山商事)
初出:2013.05.30