「“本命”=自分の人生」という生き方(4)/コラムニスト・Lilyインタビュー

女性独特の恋愛観を描いた恋愛エッセイ『おとこの左手、薬指』、長編小説『me&she』など、実体験に基づいたリアルで切実な女心を描く作家のLiLyさんに、「本命女」への道を伺いました。
第1回:「結婚=本命女」とは限らない!
第2回:「2番目の女」がハマる“高嶺の花”の罠
第3回:“意見言う=モテない”は中身のないババアへの近道も合わせてどうぞ!

ドアの向こうにある世界を全力で生きる
涙や焦りをエンジンに楽しめ

Lily インタビュー

―何かと焦りがちな独身の20代後半~30代にむけて、LiLyさんからアドバイスってありますか?

LiLyさん(以下、敬称略):20代の頃、明け方に、もうお客さんが誰もいなくなったクラブで踊っていた女友達とたまに電話で話すんです。ふたりで当時を振り返って「最っ高に楽しかったよね? あれはまさに青春だった!! 」ってよく言い合っています。

でも、当時は当時でもちろん焦りもあったし、恋愛で悩んでふたりとも泣きながら踊ったりしていた。そんな私たちは今お互いに二児育児の真っただ中にいて、当時の“自由”がもう眩しくってたまらないんですね。

もしかしたら“結婚して子供もいるからそうやって振り返ることができるんだ”って思われるかもしれないし、実際にそういう部分もあるとは思うけど、実はそういうことだけでもない。子供を持ったことで、その代わりに閉まったドアがハッキリみえている、ということなんです。
「もし、今あの頃に1日だけ戻れたなら、何やる?」、「やっばい! もうなんだってできるじゃん。どこいこっか?」 なんて、まるで妄想ゲームみたいに盛り上がってしまう。それくらい、独身で子供がいない時代って、子育て中の母さんたちからみたらヨダレがでるほど贅沢な時間。

と同時に、きっと二十年後も私は女友達と、「子供たちが赤ちゃんだった頃に1日だけでいいから戻りたいね」、「なにする? もうめっちゃ抱きしめまくるよ〜」って妄想してはしゃいでいると思います。今はもちろん、彼女も私もそれぞれに大変な時期だし毎日がむしゃらだけど、未来からみたら今もまた最高な時間なんだってことを自覚してる。

大事なのは、今目の前に開いているドアの向こうにある世界を全力で生きること。
ないものを嘆くのではなく、あるものを最大限に楽しむ。泣きじゃくりながらでも楽しむ! 焦りすら、味方につけるんです!
焦るもんは焦るんだから、じゃあそれをエンジンにして、いきたいとこまでアクセル全開でブッ飛ばせばいい。