男の一方的な「オレ物語」に組み込まれるな!
次のエピソードも、男が勝手に「オレ物語」を作り上げてしまった例です。
学生時代から付き合っていた彼は、卒業後に大学院へ進み、私は就職をしました。
彼に対しては特になんの不満もなかったのですが、かなり有名な某大企業に就職した私に対して、実は彼が勝手に引け目を感じ、自信をなくしてしまっていたみたいで……。
ある日突然呼び出され、「キミを自由にしてあげる」とワケのわからない捨てゼリフを残し、フラれてしまいました。
私は別れる気、なかったのに!
「キミを自由にしてあげる」……どんなポエム脳を絞り出せば、そんなドラマのようなセリフが出てくるのでしょうか。聞いているこちらが恥ずかしくなります。
でも、彼にとってはこのクサいセリフよりも、「彼女に水をあけられている自分」を認めることのほうが恥ずかしかったのでしょう。大学院での研究職だって立派な仕事なのに、そう思えなかったということに、彼のひがみや嫉妬の源となるコンプレックスが隠されていたのかもしれませんね。
このように、現実を自分に都合のいい「オレ物語」のシナリオに書き換えようとする男は、けっこういます。
たとえば、AMの編集さんは、あろうことかクリスマスの当日にフラれ、後で彼から「かなしいクリスマスにしてごめんね」というメールがわざわざ届いたそうです。
悲しくさせたのは自分なのですから、「ごめんね」と思うならクリスマス以外の日にフッてあげればよかったと思うのですが……。
もしかしたら、「ごめんね」と言いたい別のやましい理由が本当はあって、それをカモフラージュするために“クリスマスにフる”というニセの“やましさ”を捏造したのかもしれません(考えすぎ)。
おそらく彼の「オレ物語」の中では、「女を悲しませた悪いオレ」が、やや悲劇のヒーローとして“美談”にまとめられているはずです。