どんなに親しい友人でもすべてを
わかってくれるわけではないのが失恋…
By State Library of New South Wales collection
失恋。
それは世間一般では非常にありふれたことですが、当事者にとっては地獄のような苦しみを伴うものです。
そして、ありふれたことゆえにあまり同情してもらえないのも事実。
うかつに人に話そうものなら、
「失恋? えーこないだまで恋してたってことじゃん! うらやましいわ~私なんかもう枯れまくっててそんな話もないもん!」
「私ずっと彼氏いないから、失恋っていうこと自体、遠い話にしか思えない」
「失恋って……。病気とかじゃあるまいし、身体がどうにかなってるわけじゃないでしょ? いいかげん落ち込むのやめなよ」
と、冷たい言葉が返ってきて、さらに落ち込むはめになったりします。
たとえ親身に話を聞いてくれる友達がいても、 1ヶ月、2ヶ月、半年経ってもあなたが「元カレがさ~」とことあるごとに話し続けた場合、「(えっ、この人、まだ引きずってるの……?)」と若干引き気味になってしまいます。
もちろん、優しい友達の励ましの言葉はとても大切なもの。
失恋で崩壊しそうな自我を支えるために、これほど大切なものはありません。
しかし、どんなに親しい友人であっても、恋愛という二人だけの密室の関係について、他人がすべてわかってくれるわけではありません。
わかってもらおうと詳細に話しても、他人の恋のディテールなど、たいていはうっとおしいだけです。
基本的に、失恋の苦しみは、「ひとりで引き受ける」しかないのです。
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