“自分に酔ってる”系の悲恋ソングは替え歌で乗り切れ!

  また、クリスマスの定番ソングには、失恋や悲恋の歌も想像以上にたくさんあります。
B’zの『いつかのメリークリスマス』や、山下達郎の『クリスマス・イブ』、稲垣潤一の『クリスマスキャロルの頃には』などは、実はいずれも幸せとはほど遠いクリスマスを描いたものです。

 だからといって、これらの歌を感情移入しながら朗々と歌い上げてしまうことを、一人カラオケではオススメしません。
なぜなら、切ない系のクリスマスソングは、「恋人がいない(かつてはいたのに)」というただそれだけの現状を、必要以上にセンチメンタルに、ドラマティックに描こうとしすぎているからです。

『いつかのメリークリスマス』(https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=57358)は、言ってしまえば「元カノにプレゼントしたあのイス、すげー高かったし持って帰るのも大変だったのにな…」という未練を、ポエミーに盛っただけの恨み節です。

『クリスマス・イブ』(https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=36969)は、もうフラれてるのに「どうせ君は来ないんでしょ…」と被害者ヅラして、“雪になっても朝まで待ってるけなげな俺”というシチュエーションに酔っている粘着ソングです。
「♪サイレンナーイ、ホーリーナーイ」は、「際限ない、懲りない」と言い換えて歌うべきでしょう。

「クリスマスなのに私は…」というむなしい気持ちは、クリスマスへの憧れやしがみつきを、いたずらに強化してしまうだけ。
やがてそれは、「切ない気持ちにひたりたい」「こんなかわいそうな私を慰めてほしい」という甘美なナルシズムへと肥大していき、“自分に酔いしれたい”だけの勘違い女を生み出してしまいます。
それでは修行になりません。

 いっそ、切ない系ソングを歌うときは、センチメンタルな気分からは距離を置き、現実に即したリアリティのある歌詞に替え歌をしてみてはどうでしょうか?

 たとえば、『クリスマスキャロルの頃には』(https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=37154)は、もうふたりの仲は冷え切っているのに、「クリスマスまで待てば、なんとかなるかもしれない」と思っているふんぎりの悪い歌です。
これを、次のように歌詞を替えて歌ってみるのです。

クリスマスキャロルが
流れてるうちに
あせって出す答えは
きっと間違いだろう
クリスマスムードに
流されてるから
彼を愛してるとか
イヤな見栄はるでしょ?

…ね、クリスマスの呪縛からみるみる解き放たれ、心が軽くなっていく感じがしませんか?
それでこそ心の修行です。

 クリスマスはぜひ一人カラオケに行って、甘えたクリスマスソングに「喝!」を入れてみてください。

Text/Fukusuke Fukuda