オンラインで恋心を維持する難しさ
会わない期間も恋心を持続させるのは意外に難しいです。小学生の頃、1学期は好きだったクラスメイトのことが、夏休みを挟みしばらく会わないと、2学期にはもう好きじゃなくなっていた……あの感覚と一緒ですよ。しかし我々は小学生にあらず! オトナですから、会えない期間はマメなLINEやオンラインデートで恋心の持続に励むこととなります。
「おはよう」「お疲れ」などの何気ないLINEや、オンライン越しに見る相手の表情でキモチが紡がれると、人間には欲……もとい向上心がありますから「もっと……!」と求めたくなります。そう、会えないけれどもエッチなことはしたい、と!
お互いに通販でオナホやバイブを取り寄せ、「オナホを○○ちゃんのマ○コだと思って」「バイブを△△君のチ○ポだと思って」、オンラインセックスすることは可能です。いや、可能なのだがちょっと待て。
リベンジポルノのリスクマネジメントという意味合いでは、いかに現在進行形で愛し合っている者同士とはいえ、スケベな姿を映像として晒すのはいかがなものかと、躊躇するカップルのほうが大多数でしょう。
そこで画面越しの遠隔セックスは諦め、「声だけならリベンジポルノに使われることもないだろう」と、LINEの無料通話等を利用しての音声セックスに挑むこととなります。ひと昔前に流行ったテレフォンセックスみたいなもんですな。
オンラインセックスのハードルの高さ
視覚的興奮に頼れず、音声だけとなると、当然のことながら「言葉攻めスキル」が必要となります。「ハァハァ」「アンアン」だけでは、なんてったって視覚情報がないため、相手がどういう状態なのかわからないので。「今どういう恰好しているの?」「ビンビンに勃ってきている」「舐めて……」など。口が達者な者同士であれば盛り上がるのでしょうけど、口下手な人にとってはけっこうハードルが高いです。さらに!
視覚情報がないぶん、想像力が必要となります。「いま乳首がコリコリに勃起しているのだな」とか「顔面騎乗で性器を舐められているのだな」とか。イマジネーション豊かな者同士であれば盛り上がるのでしょうけど、いまいちピンと来ない人もいるでしょう。
こうしてオンラインセックスに限界を感じ始め、遅かれ早かれ「各々オナニーで充分」となります。つまり性的接触がゼロになるのです。性的接触がゼロになると、いずれはお互いを異性として意識するキモチが薄れてゆくでしょう。これこそが、コロナ破局の要因なのです……多分。
Text/菊池美佳子
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