イケメンに遠慮して気持ちよくなれないだけ

そして俺は途方にくれる 渡辺やよい 双葉社 大泉りか 官能小説
そして俺は途方にくれる』/著・渡辺やよい/双葉社

 靖之に愛も、気持ちよくしてくれる技巧も求めない絵里子
「ただ、そこに身体さえあればいい」とシンプル。
身体だけの関係だったはずなのに、最後にはやっぱり愛して欲しいという女の欲にうんざりしていた靖之にとって、そんな絵里子は醜くとも、居心地のいい存在。
なぜ絵里子は肉体的に貪欲であると同時に精神的に無欲な人間になったのか、また、なぜ靖之は女にこれほどまでに絶望しているのか……は本編でお楽しみいただくとして、『イケメンとヤリチンはセックスが下手くそ説』って嘘、ですよね。

 イケメンがセックスに頑張らない、というのは、美人は化粧しなくても素材のままでイケるということに近いと思うのですが、
美人でも「モテたい」と思っていたり「好きな人に好かれたい……」と思っていれば、ちゃんと身なりに気を使いますよね。イケメンだってそうです。
もしもイケメンとのセックスが「あんまり気持ちよくない……」と思っているのだったら、ただたんにイケメンに遠慮して気持ちよくなれていないあなたが原因です。そしてヤリチンだってそう。
勝手なセックスの後に「もうちょっとちゃんとヤってよね」と文句を言われるほうが面倒くさいから、今まで抱いた大勢の女で覚えたテクニックを使ってちゃっちゃっとイカせてくれるくらいはします。

 そんなエッチは愛がないから嫌だ――そうなんです。
心が満たされていないから、『気持ちよくない』と思ってしまう。
そんなあなたがセックスに求めているのは、純粋な快楽ではなく、愛されているという証拠だったり、抱かれるに価値する女だという自己承認だったりします。
でも、それって本当に『肉体が気持ちのいいセックス』をしていることになるのでしょうか。
とかく精神が重宝されがちな昨今、そろそろ、置いてけぼりの肉体の力を取り戻すことが必要だと思います。
肉体が解放されると精神も解放される。
セックスの時くらいは、ああだこうだと考えすぎる頭を静止して、身体の声に耳を傾けてみませんか。

次回は、「自分で縛ることにハマって…人に言えない性癖の話(前編)」をお届けします。

Text/大泉りか

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