恋愛のパワーバランスは公平じゃない
Gavid Bowy
愛というものが、相手のすべてを、まるごと受け入れることであるのならば、『性格や人生観や生活リズムが合う人』と恋愛をするのが、一番楽な方法かもしれません。
多くの部分が根本からフィットしていれば、相手を受け入れるのもそう難しいことではないですし、また、自分も受け入れられやすい。
が、しかし、恋というのものは、そう上手くいくわけではなく、大概の場合に於いて、相違のある相手を好きになる。
いや、むしろ、好きになる相手は、他人であるからして、多かれ少なかれ相違があるのは当然のことです。
そして、相違を埋める方法は、互いに歩み寄ること……と思っていても、そのパワーバランスは、悲しいかな多くの場合に公平にはなりません。
より強く惚れているほう、気の弱いほう、口下手なほう、譲る心を持っているほうが、もう一方に合わせることになるのです。
というわけで、前編に引き続きご紹介するのは草凪優著『女が嫌いな女が、男は好き』(祥伝社文庫)です。
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