その点、フェラチオで使われる部位は「口」です。口は手に比べ、そこまで強いチカラが入りません。舌のチカラも唇のチカラも、手に比べりゃ微々たるもの。そのため、強弱リクエストは、「もっと激しく」とか「もっと奥まで」とか、オトコらしい言葉になります。男性にとっては、自らの男性性を再認識できるひとときなのでしょう。だから男性は、フェラチオが好きなのです。

最後に、挿入で登場する「膣」について。膣に対する強弱リクエストは、そもそもありえません。「もっと締めて」だなんて注文したら、「私は股が緩いのかしら……」と、女性の尊厳を傷つけてしまいますからね。女性を傷つけるのはオトコらしくないです。逆に、わざわざ「もっと緩めて」などと言うこともないでしょう。自らの早漏を開き直るようなものですから。これまた、オトコらしさに欠ける発言です。

以上を踏まえ、男性にとってフェラチオとは、オトコらしくいられるプレイ……ゆえにフェラチオが好きなのでしょう。

Text／菊池美佳子