乙女心はわかるけれども…

 考えが丸くなったきっかけは、「歯石除去」です。先日、友人たちと歯石除去について語り合ったのですが、施術が気持ち良いという者もいれば、気持ち良いどころか不快感すらあるという者も。やったことないけど、きっと腸内洗浄も同じなのでしょうね。人によっては気持ち良いだろうし、不快感を覚える人もいるだろうし。クンニの感じ方も人それぞれなのでしょう。

 しかし中には、「クンニが気持ち良くないわけじゃない」「むしろクンニは気持ち良い」「しかしクンニされることが好きになれない」って婦女子もいるんじゃないかなぁ。その理由はただひとつ、「恥ずかしい」という乙女心でしょう。

 その乙女心、わからなくもないです。愛する男性には……いや、愛する男性でなくとも! 自分のことを「オンナ」として認識してくれている男性に対しては、キレイな部分だけを見せたいのが婦女子という生き物! 逆から言うと、キレイじゃない部分はひた隠しにしたいのが婦女子という生き物! 

 「女性の股は汚くないですよ」と言いたいところですが、ブルーチーズに喩えられるくらいですからね。ナポレオンの就寝中、鼻にブルーチーズを近付けたら、寝言で「ジョゼフィーヌ(妻の名)よ、今夜は勘弁してくれ」と呟いた……なんて歴史的エピソードもあります。ブルーチーズ臭を発する股を曝け出し、愛する男性に「臭い」と思われるのは、オンナとしてのプライドに関わるのでしょう。

 オンナとしてのプライドを保持したまま、クンニを楽しむ方法は、ないことはないです。「アンダーヘア処理」や「直前にこっそりウェットティッシュで拭く」とか「日頃の食生活から肉の摂取量を減らす」とか、色々あるんですけどね。それよりもむしろ、オンナとしてのプライドを捨てたほうが手っ取り早いというか、一石二鳥ですよ。

 プライドは男女関係において、邪魔でしかありません。「出会いが欲しいけど、プライドが邪魔してマッチングアプリには手を出せない」とか「LINEが欲しいけど、プライドが邪魔して自分からは連絡できない」とか「数年間彼氏がいないけど、プライドが邪魔して『でもセフレはいっぱいいる』と余計な発言」とか……etc。

 諸々のプライドを捨てる第一歩として、ブルーチーズ臭が漂っちゃうかもしれないのは百も承知のうえで、クンニを受け入れるところからスタートすることを推奨いたします。

Text/菊池美佳子

次回は<女性は自分のアレをシゲシゲ見ない?けれど恋に疲れたときは別>です。
毎朝鏡に向かって肌の調子をチェックしたりと自分の顔を見る機会は多かれど、自分のアソコを毎日凝視する人は少ないのではないでしょうか。なぜ女性はアソコを見ないのか、そして見ることのメリットを菊池美佳子さんが解説します。