オンナを自覚させてくれる存在

 煮詰まってきたので、先人の知恵を借りることにしましょう。
バブル全盛期のお姉様方は、自分と関わる男性を「ミツグくん」「メッシーくん」「アッシーくん」と呼んでいました。
平成生まれのお嬢さん方のために、軽く解説すると……

ミツグくん:金品を贈ってくれる男性
メッシーくん:メシを奢ってくれる男性
アッシーくん:「足」、つまりクルマで送り迎えしてくれる男性

 改めて文字にしてみると、共通しているのは「○○してくれる」という部分です。
これをセフレに応用しましょう。自分のセフレが、自分に何をしてくれているのか考えれば、そこに答えはあるのかと。
「クンニしてくれる」とか「イカせてくれる」とか、細かく言い始めるとキリがないですが、総じて「オンナであることを自覚させてくれる存在」がセフレだと思うのです。
たとえば、バリキャリ志向で周囲からは男っ気がないと思われている女性にとっては、セフレとセックスすることが、オンナとしての自信を取り戻し、それが仕事への活力にも繋がっているのでしょう。
「私はカノジョになりたいんだけど、セフレ関係に甘んじている」というケースも然り。
セックスを求められている時点で、オンナとしての認識はされているわけですし、男性側がどう思っていようと、惚れたオトコとセックスできるのは、オンナとしての悦びに繋がるでしょうから。

 以上を踏まえ、「オンナであることを自覚させてくれる男性:月の者」と呼ぶのはどうでしょうか。
どれだけオンナっぽくない人でも、生理のたびに、「私もオンナなのだなぁ」と自覚しているはず! 
かと言って、セフレを「生理男子」と呼ぶのはセンス無さ過ぎです。「月の者」なら、神話の登場人物みたいで、なんかカッコイイ!

「水曜日のオトコ」って名称も考えたんですけどね。映画館のレディースデーも、オンナであることを自覚させてくれますから。
会ってセックスするのが、水曜日でなくとも、金曜日だろうと土曜日だろうと「水曜日のオトコ」って呼ぶのがポイントです。
 
 個人的には、アボカドを美味しいと感じるとき、自分がオンナであると自覚します。
「アボカド=オンナが好む食べ物」「アボカドを嫌いなオンナはいない」というイメージなので。
セフレを、「アボカドくん」とか「アボカド男子」って呼ぶスタイル、ananのようなオシャレ雑誌で流行ってくれたら良いなぁと思ったのでした(流行るわけない。笑)。

Text/菊池美佳子