自分自身に価値がないと思い込んで、好きでもない人にお酒を飲まされて、酔った勢いでやってしまうのは、これまた別の話である。
もしかしたら、本当はやりたくなかったのかもしれない。
ただ、きっぱり断るほど自尊心がないから、相手の言うままになって、自分のことをあきらめてしまう。
それは自分自身の決断ではなく、ヤケになっている状態だ。

 失恋した直後、人間は本来ならしないことまでやってしまうことが多いという。
なぜなら、失恋が理由で自尊心を失っている状態にあるからだ。
もしこの状態がずっと続けば、その人は様々なリスクに自分を晒してしまう。
それを「別にいい」で片付けては、取り返しのつかないことになってしまう。

 残念なことに、この社会は金儲けのために日々私たちの自尊心を攻撃してくる。
メディアから垂れ流される雑音や広告は、その見た目ほど友好的ではない。
気をつけないと、それに流されて自分自身を愛することをやめてしまう。
自尊心はどんどん萎んでいく。
誰がなんと言おうと、あなたの心は体は大切だ。
それを忘れてはいけない。

 処女を喪失した彼女が当時どういう心理状態だったのかは知る由も無い。
ただ一つ思うのは、そのセックスがお互いの同意の上に成り立った楽しいもので、彼女にとって妥協のないものであってほしいということだ。
そして、これからもそうしたセックスにたくさん出会えることを心から願う。

Text/キャシー