5センチ中に入れば彼氏?恋人同士になる曖昧なタイミング

LGBT ゲイ キャシー カナダ トロント 2CHOPO 恋愛 キャシー

 デートに出かけてキスをすれば、自動的に恋人になると考えている人に久しぶりに出会った。
正直に白状すると、自分もそう思っていた時期があった。さらに白状すると、今でも恋愛がそれくらい単純ならいいのにとたまに思う。
しかし、現実の恋愛はそう甘くはない。どうしてキスしたのに恋愛に発展しないのかと悩むその人を見かねて、あたしは容赦なく彼に冷たい現実を突きつけた。

「キスにそんなに意味を求めちゃダメよ!」

 恋人同士になるタイミングが何時なのか昔から大きな謎だった。いったいどんな根拠で赤の他人ふたりは自分たちをカップルと呼ぶようになるのだろう。
高校生の頃、周りの男友達に彼女ができると決まってこの質問をした。

「いつから恋人同士になったの?」

 答えは様々だった。告白をした瞬間から恋人になったという人もいれば、友達として付き合って3ヶ月してから正式に恋人になった人もいた。
彼らの話を聞けば聞くほどさらに混乱した。言うまでもないが、恋愛とセックスほど曖昧で微妙でややこしいものはない。

 20代前半だった頃、晴れてゲイデビューしてドライにさくっとセックスを楽しんでいた。恋愛なんて面倒くさそうなものはとりあえず忘れて、いろんな男性を味わっておこうと若さに任せて試食に励んだ。
そんなある日のこと、初めて出会った男性とファストフード店で朝ごはんを食べていた。お互いの話にそんなに興味が持てないのか、まったく間が持たないふたり。気がつけば布団の中で裸になって戯れていた。

 次の日の朝、突然のメールで目が覚める。

「おはよう。今日は寒いから、風邪をひかないように気をつけるんだよ」

 目をこすりながら確認すると、昨日ヤった彼だった。なぜこんな馴れ馴れしいメールが届いたのか理解できず、「ありがとう。そっちもね」とだけ返した。
しかし、このメールのやり取りが一週間毎朝続くとさすがにおかしいと気づいた。聞けば、知らないうちに彼は勝手に彼氏に昇進していた。
それ以来、セックスをする前とした後に、必ずこう確認をしておくようになった。

「これはただのセックスで、それ以上でも、それ以下でもないからね」