引退してもまた戻ってくることもあるのが、AV女優の世界です。月に15本、実に3日に1本のペースで撮影を続けていたという人気AV女優、湊莉久もそのひとりでした。

　一度はAVの世界から身を引いた彼女ですが、思いがけず最優秀女優賞を受賞したことがずっと引っかかっていたそうです。「受賞した後にすぐ辞めるって、どうなんだろう」と。

　案の定、引退後も復帰の要望が後を絶たず、期待に応えることにしました。しかし、彼女が撮影を辞めていた期間はわずか半年。AVは撮影からリリースまでブランクがあるので、引退したことに気がつかない人も多くいるでしょう。それでも、彼女は半年間、普通の女の子に戻っていたのです。その気持ちの緩みは、大きなブランクになっています。どんな気持ちで戻ってきたのか、考えずにはいられません。

　4時間にわたる復帰作品は、関係者のインタビューや、自宅での撮影など、ドキュメンタリーに近い内容で、特に綺麗に丁寧に撮影されたセックスシーンは、もはや女性向けAVのような出来栄えです。ここまで大事にされている女優がいるでしょうか。

　最初から最後まで自然体の彼女からは、性格の良さが滲み出ています。しかし、自室はがらんとしていて、ほとんど愛猫・するめの物しか置かれていなかったのが印象的でした。

「湊莉久といえば中出し」ということで、中出し撮影。ほかに3Pのシーンがあったのですが、広い部屋にマットレスだけが置かれているセットを見て、ふと林由美香の作品を思い出しました。同じように広い部屋にマットレスが置かれ、3Pをするシーンです。
擬似セックスが当たり前だった当時の撮影で、男優に「擬似なの？ ちゃんと挿れてよ」と言って（多分）、自ら挿入する本気の映像でした。 湊莉久が、復帰してよかったと思えたらいいなと思います。そしたら、とても嬉しいです。

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Text／姫乃たま