セックスしたくて奢ってるわけじゃない
アル:まあ、文化の違いだよね。じゃんぽ~る西さんも「フランスでは石田純一がデフォルトだ」と描いてた。欧米では「男が女をデートに誘ってエスコートして褒めるのが当然」って共通認識があるでしょ。
J:十代の頃から「男はそうするものだ」と叩きこまれてるから。
アル:通訳の女友達が言ってたけど、クライアントと会食すると、欧米の大企業のCEOが彼女の椅子を引いてコートをかけてくれるんだって。一方、日本の偉いさんは彼女がドアを開けないとムッとするって。それを見て欧米のCEOはびっくりするらしいよ。
J:子どもの頃から「レディファーストのできない男はダメだ」と教えられてるからね。
アル:欧米のCEOも「僕は女性との接し方を父親から学んだからね」と言うらしい。日本は「女は三歩下がって男に尽くせ」って国だったから、しかたない部分もあるけど。
J:でも、日本の女の子は可哀想だよ。たとえば食事を奢ろうとすると「ワリカンじゃなきゃ困る」とか言うわけ。「なんで?僕から誘ったし払うよ」と言うと「でも私…そういう気ないよ?」って。べつにセックスしたくて奢ってるわけじゃないから!
アル:でも恋愛工学とか「セックスできない女に投資するのは無駄だ」って教えなんでしょ。その発想が貧乏くさいよな。
J:ていうか、そんなケチな男はモテないでしょ?
アル:モテないから信者になるんでしょ(笑)。
つーか、こっちも食事代ぐらいあるしさ。その「見返りをよこせ」って発想が頭にくる。
その点、Jくんは「アルのお陰で楽しい時間を過ごせたから」と気持ちよく奢ってくれるよね。
J:それが普通なんじゃないの?
アル:昔、バーで男に何度か奢ってもらってさ。断ったけど「いや奢らせてください」って言うから。で、そいつに告られて断ったら「女はいいよな!男を利用して」と言われて「はあっ?ふっざけんな貴様!」って。「だからテメーはモテねえんだ、笑止!!」ってキレまくったよ。
J:それは怒った方がいいよ。そもそも日本の女性は我慢しすぎだと思う。「なんでそんな男と付き合ってるの?もったいない」って女性が多すぎるもん。もっと大事にされるべきだよ。
アル:我慢や忍耐が美徳とされてきたからかな。
J:でも、恋愛で我慢しすぎると不幸になるでしょ?みんなもっと自己主張した方がいいよ。
アル:通訳の女友達も「私は外国人にはモテるけど、日本の男には『気が強い、怖い』と思われてモテない」と言ってたよ。まあ私もそうだけどさ。
J:いやーアルなんて全然優しいよ。欧米の女性なんてその何十倍も怖いから。アルはもっと怒ってもいいぐらい。
アル:じゃあもっと「滅殺!!」とか言おうかな。
J:メッサツ?
アル:オタク文化で育ったから、その手の単語を発してしまうのよ(笑)。
Text/アルテイシア
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