男には素直に相談できなかった

Y: あと、やっぱりコミュニケーションですね。女子とどう接していいかわからなかったし、ダメな点も指摘されないと気づけなかったから。
それをイチから教えてもらって、練習として飲み会を開いてもらって…。緊張したけど、回を重ねるうちに「女の子と話すのって楽しいんだ」と初めて思いました。

アル: それ以前は暗黒時代だったと言うてましたな。

Y: まず、人との接点が少なかったですから。
毎日、家に帰ってネットしてゲームして…その間は退屈しないけど、電源を切ると現実に引き戻されるんですよ。「この狭いワンルームで年老いて孤独に死んでいくのか」って。
一番ヤバいと思ったのは、コンビニで店員のおじさんにお釣りを渡された時に「あったかい…」って手を握りしめそうになったこと。

アル: それはおじさんも戸惑うよなあ。

Y: 実際は握ってませんけど(笑)。
でも「人との触れ合いを求めているんだ」と痛感して、あまりの寂しさに壁にガンガン頭をぶつけたりしていました。

アル: 佐村河内氏!

Y: 僕の場合はリアルですけど(笑)。
で、それからバーに通い始めて、アルさんに出会ったのが転機でしたね。

アル: 男性読者のメールを読んでも「協力してくれる人がいたか」が一番大きい。
女目線でアドバイスもらうのがベストなので、「まずは女友達を作ろう」と提案しているんだけど。
初心者はそれもハードル高いので、『オクテ男子のための恋愛ゼミナール』とか書いとるんすわ。

Y: 僕が相談できたのは、アルさんが女性だからですよ。
男にはバカにされるのがイヤで、素直に本音を言えなかった。「べつに彼女ほしくない」ってポーズをとっていました。

アル: バカにする男はいるからね。私、非モテを見下す男が一番許せないんだよ。
「コイツ童貞なんすよ~」とか言う奴には、「テメー童貞バカにすんじゃねえ!」と激怒してやる。女同士で「この子、処女なんですよ~」とか絶対言わないからさ。
男社会には「童貞よりヤリチンが上」的な優劣があるでしょ?…そんな価値観、修正してやる!

Y: これが若さ、か…。

アル: もう38だけどな(笑)。
(※Zガンダムで主人公カミーユに「そんな大人、修正してやる!」と殴られたクワトロが「これが若さ、か…」と呟く名場面)