女性の必修科目!出産前・出産後の腟トレ

赤ちゃんに合わせてグーンと広がる腟。
女性の身体は神秘なり……とただただ感心するばかりです。
しかし、高齢出産の場合、この腟の伸びの状況が変わってくるそう。

<関口先生の解説>
高齢出産になるとゴムが経年劣化するように、子宮口や腟が硬くなり、難産になりやすくなります。
ですからお産の時間が通常よりもかかります。
そうなると、赤ちゃんにも悪影響ですから、医師が判断して帝王切開に切り替えることもあります。

しかし、どんなに安産でも難産でも、経腟出産をすれば産道=腟は広がります。それ故に骨盤底筋の障害は必発です。
出産により骨盤底筋にダメージが加わると、多くの人は出産後、腟が緩くなるなどの障害が出てくると考えられます。
とはいえセックスのときにガバガバになるわけではありませんから、気にならない人は、そのままセックスでオーケーです。
しかし腟の緩みが気になる人には、最近は、出産後の腟の緩みを治す高周波治療なども出てきています。

また出産後の骨盤底筋のトラブルといえば、尿漏れや骨盤臓器脱が代表的です。
もちろんこれには個人差がありますから、症状の程度は人それぞれです。
90%の人は、産後1年で自覚症状はなくなるので安心して下さい……と言いたいところですが、一旦は自覚症状がなくなっても、40~50代になってから、まるで古傷が痛むようにトラブルが顕在化してしまうことがあるので注意しましょう。

特に骨盤底筋が緩みやすいのは、多産や高齢出産の人。
とりわけ高齢出産は、腟が硬いため出産が辛く、伸び切った腟の戻りも遅いばかりか、すぐに40、50代に突入してしまうので、トラブルが早く出やすい傾向にあります。

このことを考えると、出産前からはもちろん、出産後も『第3回 レッツ・腟トレ!』で紹介したトレーニングに励み、骨盤底筋を鍛えてほしいですね。骨盤底筋を鍛えておけば、尿漏れや骨盤臓器脱に悩まされることが少なくなりますよ

監修/関口由紀先生
Text/平川恵

初出:2015.01.29