腟の分娩時のミラクル、出産後のトラブル
出産を経験していない人は気になる、分娩時の腟の変化。
腟は本当に赤ちゃんが出てこれるほど広がるものなの? 広がった後はどうなるの?
そんな腟にまつわる現象やトラブルについて、医学博士で女性泌尿器科専門医の関口由紀先生にお話を伺いました。
分娩時、腟は大きく変化する
Romain Toornier
腟の形状が大きく変わると言われる出産。
分娩時や出産後、腟はどう変わるのでしょうか。この狭い腟が大きく広がるなんて、にわかに信じられない……!?
<関口先生の解説>
「いよいよ出産となると、子宮口、子宮頸管、腟、外陰部と呼ばれる軟産道、そして骨盤からなる骨産道は広がり、赤ちゃんを通しやすくします。
稀に児頭骨盤不均衡といって骨盤が小さく、赤ちゃんの頭が産道を通らない場合はありますが、それは骨盤の広さが足りないだけであって、腟は伸縮性があるので腟が伸びなくて赤ちゃんが出てこない、ということがありません。
赤ちゃんを通す産道は、いざ分娩のタイミングが近づくと、柔らかくなって伸びるのですが、それは赤ちゃんの頭の圧迫によって押し広がるのではなく、どうやらホルモンの作用によるもののようです。
そして産んだ後は、徐々に元の状態に収縮していきます。
腟は、分娩に合わせて大きく広がって産道になり、今までの腟ではなく特別な状態になる、といったほうがイメージしやすいでしょう」
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