オーガズムは人それぞれ!「こうすればイケる」という情報の弊害

彼がすぐに挿入するからイケないの?

イケるという情報に惑わされずにいる女性の画像 Olichel from Pexels

今週も読者の方からの質問にお答えします!(質問はTwitterから受け付けています)

セックスのパートナーがいつも会うとすぐ入れたがります。最初は痛いんですが、だんだん気持ちよくなるからそのまま受け入れているんですが、なかなかイケないのはそのせいじゃないかと思ってきました。プラトー期になるまでに挿入されてもイケないというのは分かっていますが、一度挿入したらその後念入りに前戯してもらってもイケないのでは?と思ったのですがどう思いますか?彼は遅漏なのでその後もずっと色々と気持ちいいことをしてくれるんですがなかなかイケません。

なんだか色々と小さい突っ込みを入れたくなる内容です…。「何で私はイケないんだろう」シリーズのお悩みはとてもよく届くんですけど、情報にとらわれすぎていることもイケない原因の一つなのかもしれないな、と思ったので採用させていただきました。

女性は体の準備に時間がかかるけれど…

まずは文中に出てくる【プラトー期】とは何なのか、簡単に説明します。

1960年代にアメリカで生化学者のマスターズさんとジョンソンさんが人体の性反応周期を研究し発表しました。性的な刺激を受けると人間の体は時間の経過と共に4つの周期で変化します。

【興奮期】股間に血液が集まることで男性は勃起し、女性はクリトリスと陰唇が充血して愛液が出始める
【プラトー期】興奮期での変化がより活発になり興奮状態がMAXで持続し、オーガズムに近づいていく
【オーガズム期】オーガズムが起こっている
【消退期】股間に集中していた血液が股間から離れ、体が興奮状態から通常の状態に戻る

この4つの周期での興奮度をグラフにしたものが、セックスのハウツー記事や本で頻繁に使われているんですけど、何のためにあのグラフが使われているのかというと、女性は興奮期とプラトー期が長くて、セックスのスタート時から、刺激に対して性的に気持ちいいと感じる状態に体が準備されるまでにはある程度の時間が必要ですよ。それに比べて男性は興奮期とプラトー期が短いから割と早くイっちゃいますよ。だから女性への前戯を長めにして時間調整した方が二人で気持ちよくなれますよってことを説明するためなんです。

つまり、刺激の方法がちんこの挿入なのか舌なのか指なのかは関係ないし、興奮期を終えてプラトー期にさしかかる時に挿入を開始すればイキやすい、というものでもないんです。

性反応周期グラフはセックスでイクためのヒントにはなるかもしれないけど、人間の体なんてみんな同じじゃないんだから、あまり気にしすぎない方がいいと思いますよ。
スタートから一気にオーガズムに突っ走ることができる人もいるし、クリトリスの勃起や濡れなどの変化がなかなか現れない人もいるし、イキそうでイケない状態が長く続いてオーガズムに至らない人もいます。
そもそも興奮期、プラトー期を正確に自覚することも難しいです。