日本に「王子様」はいない!
AM: 乙女ゲームや少女漫画みたいな恋に憧れていると、結婚は遠ざかるんですね。
アル: 憧れるのはしかたないけどね。<女磨きすればステキな王子様に選ばれる>って広告が世の中に溢れているから。本も雑誌も服もコスメもエステも、幻想を抱かせることで商売していることを忘れないでほしい。
『掃除すればお金持ちになって彼氏もできる』系の本も売れているでしょ?部屋がキレイなのは良いことだけど、掃除に期待しすぎだと思う。女磨きもトイレ磨きも、自己完結の努力ですよね。
でも残念ながら、ステキなお姫様になっても王子様は現れない。なぜなら、日本には王子様がいないから。それが日本の女の子の不幸な点なんですよ。
欧米には“男がリードしてエスコートする”って文化があるでしょ?
欧米の男の子とデートすると、本当にお姫様扱いしてくれる。お店予約してないとかレシート見せるとかありえない(笑)。「こんな素敵な女性と食事できて、僕の方こそ感謝しなきゃ」とか褒めてくれるし。
でも、日本はもともと男尊女卑の国だから。
通訳の女友達が言ってました。「欧米のクライアントと会食すると、大企業のCEOがサッと椅子を引いてコートを脱がせてくれる。一方、日本の偉いさんは私がドアを開けないと不機嫌になる」って。
それを見て欧米のCEOがビックリするんだって。「信じられない!僕は両親からレディファーストを学んだからね」って。そんな風に、文化や教育が根っこから違うんですよ。
AM: 欧米が羨ましいです…。
アル: 日本でそれができるのは、石田純一みたいな遊び人のおじさんだけ(笑)。あとは女慣れしたヤリチンか。
新刊のインタビューでも話したけど、<リードしてくれる誠実な王子様>なんてこの国にはいないんです。
だから欧米に移住するか、お姫様願望を捨てるか、どちらか選ぶしかない。
AM: 究極の選択ですね…。
でも現実問題、欧米に移住できる女子は少ないから、お姫様願望を捨てるしかないんでしょうね。
アル: 本気でパートナーが欲しければ、ですけど。
「キラキラした恋を楽しみたい、少女漫画のヒロインでいたい」って女子は、納得いくまで貫けばいいと思う。
私も、花火みたいに燃える恋をいっぱい経験しました。最後は男に振り回される悲劇のヒロインになって、ハッピーエンドにはならなかったけど。
でもそれで火ダルマになったお陰で「平熱で過ごせる相手がいい」と心から思えたので。それに、芸のこやしにもなるしね。
AM: 芸のこやし(笑)。
でも、いろいろ経験して学ぶ方がいいのかもしれません。“待つだけの受け身のお姫様”のまま、何もなく時が過ぎていくより。
アル: 女子校の同級生とか、そういうタイプが多いです。川の流れのように、ゆるやかに三十代処女になったお姫様たちが。でも宝塚やジャニーズにハマって、それはそれで幸せそうですよ。
“幸せのカタチ”は人それぞれだから。他人が決めることじゃないから。