大勢で会う前にふたりでこっそりエロをすると背徳感で興奮する/中川淳一郎

大勢で会う前に、コッソリとエロをするというのは背徳感があってどこか興奮するものである。以前、10人ほどで19時から音楽ライブに参加することになっていたのだが、地方から東京に来た吉村さんが、ホテルの部屋で飲まない? と誘ってきた。

そんなことから僕はビールとつまみを買って彼女の部屋へ。前回彼女と会った時も同じメンバーでの飲み会だったのだが、その時互いに悪い気持ちではなかったことはなんとなく理解できていた。だから、次回会う時はサシ飲みになるだろうとは思っていた。

16時に彼女の部屋に着くと、すぐに飲み会開始。部屋にあるソファーに並んで座り、アーモンドチョコレートをつまみにビールを飲み始めた。こうした状況になると、この10人のグループの中で誰と誰はデキている、やら〇〇さんは失礼な人だ、といった話で盛り上がるようになる。

かくして共通の話題で盛り上がったのだが、ここまで行くとチキンレースの様相を呈してくる。18時40分頃にライブ会場に着くには、あとどれくらい残り時間があるか、ということを考える。それと同時にいつまで性欲を抑えられるか、あとはどちらから誘うか、といったことを考えるようになる。互いに「そちらから誘ってくれ!」と思っているのは分かるのだが、こうしたものは男から誘うべきだろう。同意を得るためにもそれは必要だ。

というわけで、僕は吉田さんに「エロしませんか?」と言った。彼女は「私もそう言おうと思っていたの」と言い、僕らはベッドに行き、顔を近づけながら抱き合い、そして彼女をゆっくりと倒し、ディープキスをした。シャツの下から腹を触ると彼女は僕のアソコをズボンの上から触り、「固くなってるね」と言った。

自分で自分の服を脱ぐのが合理的

シャワーに入り、地下鉄に乗る時間も考慮したらあと1時間20分ほどはできるだろう。だが、通常よりも短い時間である。僕らは互いに全裸にチャッチャッとなり、布団の中に入って抱き合った。かつて見た映画や漫画のエロシーンでは、女が「脱がせて」と言い、男が1枚1枚服を脱がせていくことが多い。

だが、実際にソレをやってみると、ボタンは取れないわ、ブラジャーのホックの外し方が分からないわで興ざめするし、焦ってしまう。そうしたことが分かってからは自分で自分の服を脱ぐのが合理的だということに気付く。それは相手も分かっており、「恥ずかしがっても意味がない。どうせスッポンポンになってもっと恥ずかしいことをやるんだから」という開き直りから女性も自分で服を脱ぐ。

二人して身体を舐め合い、触り合い、性器を弄んだ後に69の態勢になって5分ほど我々は舐め続け、しゃぶり続けた。

彼女のアソコはびちょびちょで、僕のアソコはギンギンになったので、挿入準備も完了。念のため、と持っていたコンドームを装着し、まずは正常位で挿入し始めた。先程までは饒舌に喋っていたのだが、ここまで来るともう喋ってなどいられない。2回はイキたいので、我々は挿入行為に集中した。かくして15分ほどで果てると「あぁ~、気持ちよかった~!」と彼女は言った。

そこからのインターバルでは、これから会う仲間達の前で何もなかったかのように振る舞うのは結構興奮するね、ということを話した。「でも、それも結構興奮するけどね」と彼女は言った。