「あんまり経験がない」と思われている今日子さん

他の会話では、今日子さんに関するものがある。彼女はとにかく地味で引っ込み思案な人物だった。下ネタのとき、黙ってうつむいていたが、そんな状況で「今日子はこういう話、嫌いだよね。あんま経験ないでしょ?」なんてことを言われた。

このとき僕はギョッとした。というのも今日子さんとこれまでに3回エロをしたことがあるのだが、人生でもっとも上手な舌技と手の動かし方をするのだ。毎度上手になっていくため、勃起したアソコを彼女が持って指を動かし、上下運動を開始すると3往復目ぐらいでもうイキそうになってしまうのである。

そこで「待った待った! ストップストップ!」とやると「別に出しても構わないよ」と言われてそのまま昇天してしまった。これが2回目のエロだった。そして、その10分後にもう一度勃起をしたら今度はフェラチオをしてきた。これも絶品で、カリの部分を下から舌でレロレロしてきて、そのまま上下に動かし、カリにまた舌を這わせる。これも数分後にはイキそうになり、「ストップストップ! このまま挿入できないのはイヤだ!」と言うとようやく口を放してくれた。

しかし、僕はそのままの状態で挿入すると暴発してしまうので「今日子さん、ちょっと待っててください」と一旦外に出し、そのまま絶頂に至らないよう心と体を落ち着かせた。3回目はさらにテクニックが上達しており、一体どういうことかを聞いた。

どうやら彼女の初体験は25歳で、本人的には遅かったとのこと。そこから「他の女には負けない!」とばかりに、チャンスがあれば男を誘いまくり、そのままセックスに持ち込む日々が続いた。

まさに「性の求道者」と化した今日子さんは、毎度別の男とヤる度にそのテクニックに仰天されるようになった。そんなわけで、冒頭の猥談のとき、本当のことをバラそうとするどころか、僕を「証人」として彼女がいかに経験豊富かを語らせようとしたのだという。

それはやめてくれ! とはいっても、彼女は現在の奥手キャラであることは男からモテるためにも有利だと感じている。地味で清純そうな彼女が実はテクニシャンというギャップに男は興奮しまくるのだとか。

Text/中川淳一郎