「ビッチで何が悪いの?」性を謳歌してない=もはやお前は死んでいる/椿鬼奴主演映画『ビッチ』イベントレポ(2)

ビッチ
『ビッチ』DVD

 アラフォー芸人・椿鬼奴さんが、現代女性のさまざまな性を追った映画『ビッチ』のDVD化記念上映会のイベントレポートをお送りします。
<前編はこちら>

 イベント「ビッチで何が悪いの? ~現代女性のセックスの真実~」は、11月8日に下北沢B&Bで行われました。
登壇者は、原作となった『ビッチの触り方』著者であり脚本も手がけられた湯山玲子さん、監督の祖父江里奈さん、そしてソフト・オン・デマンドの女性向け動画サイト『GIRL’S CH(ガールズシーエッチ)』の田口桃子さんです。女性の性の現在について語りました。

女性のマスターベーションも今は別腹

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湯山玲子さん(以下敬称略):前提としてなんで女の人がマスターベーションすることを言えなかったかというと、男がいなくて、代替としてやっている寂しい悲しい女という物語が非常に強かったからですよね。
今でも大衆的にはそう思っている人も多いけど、「それは別腹だよね」と女の人もわかるようになってきた感じですかね。

祖父江里奈さん(以下敬称略):それこそ女ニー会(※女子オナニー会談の略)のまなさんが映画の中で言っていたように、彼とのSEXをもっとよくするためのオナニーじゃなくて、オナニーを楽しむためのオナニーをしているんだということですね。

湯山:そうですね。私も女ニー歴は長いので、ずっとそう思って生きてきたんですが、ただ実際話してみるとそうじゃない女性も多いんですよね。分断されている感じ。

田口桃子さん(以下敬称略):性のことに関して女性は特に言い訳を必要とするんですね。男性日照りという理由でやっていると思われたくないから綺麗になるためにやっているとか、たまたま道具をもらったから試してみたとか。

湯山:たまたま、エッチなサイトに行き着いてしまった、と(笑)

セックスは危険?それとも完全に遊び?
女性のセックス観


湯山:女性にとって性が厄介である側面としては、忘れちゃいけないけど、セックスって妊娠するんですよ。

 今はセーフセックスが前提なことや、愛し合ったら身体を求め合うのは当たり前だということで、セックスする=結婚ではなくなっている。
男性も責任は取らなきゃいけないんだけど、割と出しっぱなし。
女性は確実に責任を取らなきゃいけないので、そこが、どうしたって、女性にとってあっけらかんと性がプレイフル、遊戯的にならないところだよね。

祖父江:どれだけ避妊が発達したって最終的にリスクを負う可能性がある。
映画内でビッチとして出演していた方も、ピルを飲んでいてもそれは絶対に言わないと話していました。思ったんですけど、奔放な人ほど自分を守っていますよね。

田口:私の友達でヤリマンがいるんです。経験人数は3桁で、この日までに何人とヤるというような目標人数を年初に立てているほどの(笑)
ただ、その子は毎年エイズ検査に行って性病も全部検査している、というのをモットーにしていましたね。

湯山:女性と男性の性の非対称について、男性の書き手の方と話したことがあって。
彼は素人女性とガンガンにヤッている性豪なんだけど、自分の意志でヤるという女性のヤリマンの存在は嘘だと彼は言っていたんです。

 そういう風に見せていても関係を持つと情が移ってきて「アナタが最後の男」だと言いがちだと言っていて、アレ?そうなのかなと思いましたね。
女からすると『SEX AND THE CITY』のサマンサのように自分の意思の元にバッサバサと男を選んでいってほしいと思ったのだけど。
性豪がそう言っているということはそうなのかな?と。ただ、それも5、6年前の話で当時40代後半の男性の言なんだけど。

祖父江:変わってきたと思いますよ。ただ、相変わらず保守的というかスタンダードな方もいて、一方で奔放にやっている方々も確実に増えてきていて、二極化してきていると思います。

 知人でもビッチは確実に増えています。彼氏がいるときは他の人とヤラないとかじゃなくて、家庭とは別に楽しむためにヤる。
本当に笑っちゃったんですが、「セフレの彼が私を好きになっているっぽくて面倒臭いから切る」って言っている子がいて、完全に男目線だな、と。

湯山:時代が変わったというのもひとつですし、そもそも女性と男性は性が非対称だというけど、そう思われているだけでドンドン同じようになっているように感じます。
例えば、紋切り型の月9のストーリーの中で、友人同士の二人の男が同じ女とヤっちゃって「兄弟だ!」というシーンがありますよね。
それを反対に友人同士の女が同じ男性とヤったと聞いたら友情が壊れるっていうじゃないですか。でも実際はというと、それが壊れないんだな~!

祖父江:壊れないんですよね!不思議とね。

湯山:若いときからつるんでいて、今でも仲いい女同士のグループがあるんだけど、共通の知り合いの中に、車持っていて金持ちでヤリチンの男がいたの。
その人、後年グループほとんどの女性とヤッてたことがわかったんだけど、発覚した瞬間に女たちでそいつのダメ自慢が始まったんだよね。その時、男の人は穴兄弟っていうけど、サオ兄弟な感じがしましたね。

祖父江:私30になったのですが、その感覚はあります。
ただ、そんな会話ができるようになった反面、そういう会話ができない層もまだ多数派なんですよね。