エロ連載で「私のこと書いてくれてありがとう」と言ってきた女性/中川淳一郎

このエロ連載をしていると時々困ることがある。内容の基本線としては「酔っ払った男女がある程度の駆け引きはあった上で、勢いでエロいことをしてしまう」というものだらけ。それがためにも読者が求めるような濃厚ドロドロ恨み骨髄地獄まで追っかけて行ってやる~、的な話にはならない。せいぜい「次の会議のとき、お互い恥ずかしそうに下を向くのであった」程度のオチが多い。

さらに、相手女性は夫や恋人がいて、僕・ニノミヤはフリーという状況の話だらけなので、間男が何も考えずにホイホイ美女についていく、といったどうやっても呑気なストーリーになってしまうのである。そういったエロ話だらけで軽いのだが、今回が第84回目となる。次の次は記念すべき86(ヤろう)回目だ。

読む人が読むとバレてしまう

冒頭で書いた「時々困ること」だが、登場する女性から「コレ、私のことでしょ! コラ!」と怒られることだ。たとえば、道を歩いていたら彼女が途中からムラムラして物陰でフェラチオを開始。誰も来ないだろう、とそのまま朽ちた陸橋の上に移動し、バックでセックスをしていたら、若い男が通りかかる。互いに「あぁ、スイマセン……」と恥ずかしそうに挨拶をする、という本連載でもアホっぽさでは上位に来るであろうストーリーがある。

こちらは知り合いが読んでいることは想定していないのと、本人だとは分からないように書いているつもりなのだが、読む人が読むとバレてしまうようである。そのときに本気で怒るというよりは、「もう、職場で読んでて恥ずかしかったじゃない!」や「アンタ、私のことEカップって書いたけど、Fカップよ!」みたいな話になりがちだ。

あとは、文章の細部に反応する人もいる。僕は長時間挿入しているのが好きなのだが、一回目は早めに射精してしまうことがある。そのため、「今日はヤるな」ということが分かっている場合は午前中に一度オナニーをして長持ちするように準備することがある。そのうえで、挿入中にとある工夫をする、といった話を書いた。これに関連した女性から「私のこと書いてくれてありがとうございました」というメッセージをもらったことがある。